憂鬼亭太白/眼石鶏『いじわる狼とメルヘン少女 月虹の森と五芒星の薬草』
妖精、魔族、竜族、堕天使などが存在し、共存する世界。その世界のとある国、バウムガルド公国の地方議長メルツァー。その娘、エルナがこの作品における主人公です。
地方議長のお嬢様として、両親や使用人たちに大切に育てられたエルナは、いわゆる箱入り娘でした。
しかし、物語の冒頭、彼女の母親が病に臥せってしまい、その治療には、森の奥深くに稀に自生する『五芒星の薬草』で作った薬が必要であると医者に宣告されます。
幼く、世間知らずなエルナでしたが、お母さんを助けたい一心で、偶然出会った妖精バンジーとともにその薬草があるはずの、恐ろしい狼が住むという森へ向かうことになります。
そんな幼い彼女と彼女の周囲で物語を彩る個性豊かな登場人物たちの冒険譚。
以上が、物語の大まかな登場人物とあらすじになります。
一つのタイトルで七~八話程度で構成される、比較的短編の物語で、シリーズとして展開されていく予定の作品とのことです。
今回の『いじわる狼とメルヘン少女 月虹の森と五芒星の薬草』は、そのシリーズで最初の作品です。
さて、この作品を私が推薦する理由ですが、それは『文章表現への工夫』という点についてです。
この作品、素人である手前の程度を棚上げさせていただいた上で、正直に申し上げさせてもらうと、物語の運びや人物の情動、文章の作り方はまだまだ不慣れな部分が見られます。
しかし、この作品は“絵本風”という文章上の独特の表現に挑戦し、それが作品の世界観に一致し、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。
そういった部分で、伸び代を感じる作品です。
以上の点から、私、憂鬼亭太白は眼石鶏氏の『いじわる狼とメルヘン少女 月虹の森と五芒星の薬草』、おすすめさせていただきます。
『いじわる狼とメルヘン少女 月虹の森と五芒星の薬草』
作者名:眼石鶏
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