三國 圭/憂鬼亭太白『餓鬼』
この物語は、主人公である七瀬空治の幼少時代を皮切りにして進んでいく。「鬼筋の七瀬」──祖母が告げたその言葉には、一体どういった意味が含まれているのか空治は知らなかった。
そして時計の針は進み、空治は九塚高校へと入学。父親の転勤を理由に、彼は住み慣れた土地から小京都『成宮市』へと住む場所を変え、気さくで面倒見がいい棚村辰巳、美少女留学生のリアン・バートレットらと共に充実した高校生活を送っていた。
そんなある日、突如として彼の日常が終わりを告げる。きっかけは空治が見るようになった夢。その内容は、底知れない飢餓感に襲われた彼が、人間を襲っては喰らっていくという不気味なものだった。それと呼応するようにして成宮市内で行方不明事件が頻発するようになる。
状況が分からず困惑する空治の前に、九条院智子、朧月瞳美と名乗る不思議な二人組が現れる。
彼女らと行動するうちに明らかになる、隠された鬼筋の謎。そして事件は思わぬ方向へ──苦悩の果てに彼の選ぶ決断とは何か。
読者を飽きさせないほどの巧妙なストーリー展開、精緻な描写もさることながら、異能者同士の白熱した戦いや、垂涎ものの飯テロ的描写など、単なるホラーというジャンルに収めることのできない作品です。
是非、ご一読することをお勧めいたします。
『餓鬼』
作者:憂鬼亭太白
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