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トキオトメ  作者: リノキ ユキガヒ
トメのいる風景
39/40

さぁ行きましょう!!

「さて、どこからお話ししましょうか」

トメは沙織の淹れた紅茶を一口飲むと遠い目をした。

合流した香奈とジュディが目を輝かせながらトメを見ている。

トメは沙織、香奈、ジュディを順番にみるとゆっくりと話し始めた。

過去に戻った話し。

終戦直後の日本。

高度成長期。

トメはその頃の女性にしては珍しい株式投資で巨万の富を得たらしい。

「…。トメさんひょっとして、未来の情報を元に投資をしてたデスカ?」

「えぇ、そうよ」

ジュディの問いかけにひょうひょうと答えるトメ。

「これのお陰で随分儲けさせてもらったわ」

と言いつつ懐からリンゴのマークの入ったスマートフォンを取り出した。

「えー!トメさんスマホ持ってたのー!!」

香奈の驚いた声が店内に響く。

「トメさん、コンピュータ関連の株で一山あてたデスカ?」

「あなたのお国。シリコンバレーには魅力的な会社が戦後にドンドンできたわ。未来であれだけコンピュータが普及しているんですもの、指を咥えて見ているだけなんて勿体無いわ。積極的に投資しないとね」

ジュディは口をあんぐりと開けてトメのたくましさに呆然としている様子だ。

「ところでトメさん御結婚はされてるの?」

沙織が素朴な疑問を投げかける。

トメは沙織を含み笑いをしながら見ると

「さぁ、どうかしらね?言い寄ってくる男性は沢山いたけど」

「トメさんモテモテじゃーん」

香奈が例のイタズラっぽい口調でトメをからかう。そんな彼女の頭を軽く撫でながらトメは

「フフフ、でもね。未来に可愛らしい娘みたいな子達が待ってると思うとどうしても結婚する気になれなかったわ」

そう言いながら香奈を抱き寄せる。

「トメさん…」

沙織は潤んだ瞳でトメを見ながら呟いた。それに気づいたトメは

「ヤダ、何だか湿っぽくなっちゃったわね。景気付けにどこかパーっと出かけましょうか?」

「私、チョコパフェ食べたい!」

香奈がトメに抱きついたまま叫ぶ。

「香奈ちゃん何処で食べたい?お婆ちゃんは大金持ちだから遠慮なくいいなさい。」

「うーんとねー」

「ここはお菓子の本場、フランスなんてどうでショウ」

思案にくれる香奈をよそにジュディが冗談めいた事を言う。しかし

「いいわね。じゃぁ早速行きましょうか?」

トメはそう言い放つ。

「へ?」

呆気にとられるジュディ。

「車を飛ばせば成田空港位すぐでしょう?」

トメはそう言うと、すっくと立ち上がった。

三人はキツネに摘ままれた様な表情のまま表にでる。

店の前の道路には見慣れない車が止まっていた。

トメはその車の前に慣れた感じで近づいて行く。

「このAMG…」

ジュディが息を呑みながらトメに

聞く。トメはおもむろにスリーポインテッドスターの刻まれたキーを取り出すと

「あなたのバイクより速いわよ。どう?」

挑発するような目付きでジュディにキーを投げ渡した。

ジュディはそれを受け取るとニヤリと笑い「ンフ」と言いながら運転席側に回り込んだ。

ガルウィングのドアが跳ね上がると「うぉー!!」と香奈が驚きの声をあげる。

残りの三人がシートに収まるのをジュディは見届けると

「Move out!!」

そう叫びながら豪快にアクセルターンを決めた。

ちなみにベンツのSLS AMGは二人乗りだ。

香奈と沙織が何処に乗っているかは察してもらいたい。




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