Wilcome!
あれから幾日か経ち遂にイベント当日がやって来た。
店のドアに「本日イベントの為臨時休業」の張り紙を沙織がすると三人は駅に向かって歩き始めた。
東京の原宿から神奈川の横須賀まではちょっとした旅行位の距離になる。しかし歳頃の女性三人が集まればとめども無いおしゃべりで時間はそれ程長くは感じられなかった。
三人は横須賀駅に降り立つと米軍の横田基地の正面ゲートに向かい歩き始めた。
第一京浜を挟んで基地の正面ゲートが見える。
ゲートの脇には軍用車のハマーが
横付けされており金髪の女性がこちらに向かい叫んでるのが見える。
「沙織ー!香奈ー!トメさーん!!こっちデース!!」
それに香奈が気付くと
「オネーちゃん!ジュディだよ!」
と沙織の肩を叩きながら叫んだ。
三人は信号が変わると同時に信号を渡り小走りにジュディの所に
寄っていった。
ジュディは
「Wilcome!YOKOSUKA BESE」
と言いながらハマーのドアを開いて三人を後部座席に促した。
ジュディはゲートの所に居る衛兵に英語で何か叫ぶと自ら運転席に乗り込み
「さぁ、今からパーティー会場まで行くデスヨー!」
と言ってハマーを発進させた。
横須賀の基地内は広大だ、基本的な移動は大体車で行う。
香奈は車窓から見える景色を物珍しそうに見ている。
「ジュディよくこんな大きい車運転できるわね」
沙織が感心しきりでジュディに話しかける。
「ハッハー!こんなの軍艦に比べたらオモチャでース!!」
そう言いながらジュディは慣れた感じで基地内を軽やかに走り抜ける。
程なくすると接岸された黒い鯨の様な物体が見えてきた
「アレがパーティー会場。SSBNアラバマでーす!」
と叫びながらジュディは指差した。
「おぉーー!!」
後部座席一同は感嘆の声を挙げる。
初めて見る原子力潜水艦。その大きさは想像を絶する物だった。
ジュディはタラップの脇に車を止めると振り向き後部座席のトメを見ながら
「トメさん。一つお願いがありマース。あなたが陸軍中野学校の人間という事が悟られる事はしないで下サーイ。Do you under stand?」
「Yes sir」
「Very will」
トメとジュディは目を合わせるとお互いにニヤリと笑みを浮かべた。




