第一話
長く書いていく予定です。
お付き合いいただければ幸いです。
「20XX年、10月某日とある建物内にて、私は取材を行っている。
目の前には白衣を着た初老の男。取材対象である柴田錬蔵博士が座っており、
その知的な顔を紅潮させながらとくとくと語ってきた。
「文明や文化という文字に「文」と付いている事が示すように
人類は文字によって自身の経験や発見を他人に伝え残し、その歴史を紡いできました」
「しかし、文字は言葉を記号化した物のため、言葉の欠点をそのまま受け継いでしまっている。
つまり、少し間違えるだけで、意味がまるっきり変わってしまうのです」
「それによって人類は、いらない誤解や争いを抱いてきました。
かくいう私も、文字によって大失敗をした事があります。
「大好き」な女の子に「大好き」と伝えようとしたところ、うっかり「点」が入ってしまった為に、
「犬好き」な女の子に自分がいかに「犬好き」かと書き記した大論文を送りつけてしまい、キョトンと
されちゃいましてね」
そう言って、男は照れくさそうに笑いながら、こめかみの辺りをポリポリ掻いた。
つられて私も笑顔になったところで、目の前の男が急に真顔になった。
「いまや世界レベルの脳科学の権威であり科学者のこの柴田錬蔵にとって、さき程お話したエピソードは少し苦い思い出ですが、
もう人類がそんな行き違いをせずにすむ画期的な発明をしてしまったのですよ。
自画自賛になってしまいますが、これは人類史を根底から覆してしまうほどの発明といってもいいでしょう。」
柴田は高揚した顔で語りだし、ぐっと顔を近づけてきて言った。
「さて、前置きがすっかり長くなってしまいましたが、私がどんなにすごいものを発明してしまったかを発表させてもらいます。」
緊張をあおるように、しばらくの無言の後、満を辞してというように、柴田は口を開いた。
「その発明とは、脳のデータの入出力装置というものです」
「ワー、スゴイナー」
イメージがどうにもつかめず、ピンとこなくて、自分でもびっくりするほど無味乾燥な言葉が出てしまった。
目の前の博士は得意げなドヤ顔をしていたが、私のリアクションを見て、みるみる悲しそうな顔になる。
「君・・・ 頼むから、そんな顔をしないでくれ。キョトンとした顔は少しトラウマなんだ」
そう言われ、私は慌てて営業スマイルを作り直した。
自分でも気付かなかったが、キョトンとした顔をしていたのだろう。
そんな私の様子を見て、博士は何か思いついたようにぽんと手を叩くと立ち上がってこういった。
「この発明のすごさをちょっと試してみないかね?」
そう言いながら、今回の発明品であろう機械を引っ張り出しながら、博士はいそいそと何か準備をしている。
「試すって、いったいどうするんですか?」
「なぁに、そのままの意味さ。君にこの機械を使ってもらおうと思ってね。
今回はサービスで、君の脳のデータに情報をひとつ入力してやろう」
タイトルの意味がほとんどわからないですね。
一番最後の場面だけが頭にある状態です。
それなのに投稿までしてしまうとは、自分の蛮勇ぶりにびっくりデス。