こんな夢を見た。
薄暗い部屋のなかで僕は、何かに想いを馳せていた。それがなんだったのかは今となっては、知るよしもないことなのだが
そうしてる内にあることに気付いた。
家のなかに誰もいないのである。
いつも、あまりできのよくない自分に
優しくしてくれる、専業主婦の母すらいないのだ、なんとなく。
感じた違和感は
次第に大きな不安へと変わって行く
気付くと辺りは深い闇に包まれていた。
それが、切っ掛けとなり慌てて家を飛び出していた。
灯りがある方へと走っていくと
灯りに照らされ、安らかな笑顔で眠る、
家族の冷たい体が転がっていた。
それを見た僕は深く安堵したことを覚えてる。意識はここで途切れる。
再び目を覚ましたのは
薄暗い自分の部屋。
先程までみていた夢のせいか 、シーツは寝汗でひどく濡れていた。
頭のなかに過る不安に従い
居間へ出ていくと
そこには、いつもと変わらない、暖かな笑顔で迎えてくれる。
母親の姿があった、そして、仏頂面の父親の姿も、いつもどうりのなにも変わらない日常の風景に僕は安堵していた。
少し、心に余裕ができると頭というのは
異様にまわるものである。
ふと、思い出した。
僕の家族はもういない。
この間不幸な事故に巻き込まれているのだ。
じゃあ、
ここにいる
人達は一体、
だぁれ?
ここで、意識が途切れる。