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第一話

精暦211年 3月

「本日の演習が諸君ら士官候補生の最終試験となる! 心して演習に当たれ!」

「了解」

 壇上の教官が号令を出し、列をなす訓練兵がそれに応じる。

 此処はロスティナ帝国天帝軍魔導士官養成学校、現在はその三年期生の卒業試験の最終試験が始まったところだ。世界を二分する大国の一つロスティナ帝国、その中でも帝国の先槍とも言われる天帝軍の士官学校だ。

「各班長に任務書を配布してある。言うまでもないが演習中の行動は監視魔術を用いて逐次見られている。不用意な行動は避けるように。現時刻を持って演習を開始する! 各班解散!」

 教官の号令で中庭から数人単位で訓練兵が散り散りに移動を開始する。卒業演習の内容は様々で、町外れの猛獣の討伐もあれば、互いに指定された班同士での実戦演習もある。

「レオン、俺達12班の演習任務はなんだ」

「俺達12班の任務はサバイバル演習だ。訓練施設内の幻術空間を使って行われる」

 そして演習内容は班全体の平均レベルに合わせたものとなる。当然優秀な訓練兵が居る班の演習任務の難易度は高く--それは今期訓練兵主席レオン・アルカディの所属する12班も例外ではなかった。リアンの問へのレオンの答えの内容、それを聞いて12班唯一の女性クエスが明からさまに肩を落す。

「幻術演習なんて難易度最高クラスじゃない。ニコルと私は留年ね、これ」

「おいコラ、さらっと俺を混ぜるな」

 クエスの軽口に金髪の青年ニコルが即座に言い返す。

「はははは、いやでもお前ら能力低いから有り得るかもなぁ」

「いや俺もクエスも平均レベルあるからな! 今期5位のお前と主席のレオンを基準にすんな!」

 腹を抱えて笑うリアンにニコルが怒鳴る。最上位を基準に考えられたら確かに平均レベルの二人は能力が低く見えるだろう。だが一般レベルは自分達で規格外は最上位の方なのだ。というかトップ勢二人と同じ班なせいで難易度の高い試験を受けるこっちの身も考えて欲しい。ああ、実力が近い奴らだけで班が造られている連中は羨ましいとニコルは思う。

「ニコル、リアン、漫才はそこまでにしておいてさっさと幻術室へと行くぞ。任務は始まっているんだ。」

「漫才じゃねっ」

「へいへい、班長さん了解っと」

「まあ、留年しないように頑張るしかないっしょ」

「漫才じゃない……了解」



 魔術に優れるロスティアでは施設にも当然魔導技術が用いられている。ロスティアの軍特有の幻術訓練もその一つだ。訓練参加者を同一の幻術にかけることで仮想現実的に造られた空間で訓練をするといった内容だ。

「天帝軍魔導士官養成学校三年期生第12班。レオン・アルカディ、ニコル・リコルタ、リアン・バスティ、クエス・トリスタ、演習任務の詳細を受領しに参りました」

「第12班への演習任務内容を説明する。今回は敵地からの脱出を想定した演習だ。各自武装は天帝軍魔導戦闘服及び携行ナイフを二本のみ。幻術空間内時間で48時間以内に指定ポイントへの到着により演習終了となる。各自、幻術装置に入り次第に演習を開始する」

「了解」

初執筆、投げ出さないように頑張ります

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