『舞台設定編 第五話』 戦場の二択は精神にクる
ども、久々の投稿な作者です。
投稿していない間に思い付いた話が漫画向きだったこともあり、気分転換かねて「原作志望」という形で漫画のネームを出版社に持ち込んでみました。
全43ページ。今見返すと全然ダメな作品ですが、いい経験になったと思います。
主な雑誌は完成原稿のみ持込み可だったので、ネームでもOKという雑誌を探すのに一苦労。最終的に持ち込んだ「電撃マ王」で、当然ボロクソに叩かれたんですが、コマ割りなんかの技法的な事はさておき、「読者は設定ではなく人間ドラマが見たいんだ。これでは設定の説明になってしまっている」という言葉が印象深かったです。
目から鱗でした。
今にして思えば小説は世界観の説明を先に持ってくるため、スロースターターにドラマが動くタイプが多く。
人気が作品寿命に直結する漫画では、ドラマの合間に設定を伏線回収という形で説明していくタイプが多い気がします。
褒められたのは度胸だけという妙なオチのついた持込みでしたが、得るものは多かったです。あとネーム作成に当たり週刊連載する漫画家がいかに化け物なのかを理解しました。
うん。前置きが長くなりましたが、本題行きましょうか。
前回の次回予告……懐かしいな。
それによると今回のテーマはSFやファンタジーでお馴染みの「傭兵」です。
使いが手の良い項目なので、ここからはシリアスモードで「傭兵」について考えていきましょう。
さて、小説における「傭兵」ですが、コレは書き手の都合で小物にも大物にも、敵にも味方にも主人公にもできる使い勝手の良い職になると思います。
SFやファンタジーでお馴染みと言う事から、というか現代の戦争情勢を考えるといつの時代にも需要のある職業なんでしょうね。
人類の歴史は戦争の歴史っていうのも分かる気がします。
作品で扱われる「傭兵」はまず組織か、ソロか。という区分で分ける事が出来るのではないでしょうか。
組織の場合は本拠地があり、ソロの場合は流れ者、もしくは戦場に合わせて移動するかのどちらかでしょう。
後は地元の人間が金で雇われる。というパターンもあるみたいですね。過去の日本においてもそういった事例は見られたみたいです。
そんなんでいいのか? とも思いますがよく考えたらホームで地の利ありますし。そういう点では凄く有利ですよね。
それではそんな傭兵の出自について、久しぶりのノリで考えていきましょう。
1、「オレの出自はミリタリー」な元軍人さん
というわけで元職業軍人ですね。良く使われるのは退役軍人や元兵士、元騎士などです。
組織になじまなかった。上層部に愛想をつかした。階級上がりすぎて現場に出れなくなった。定年。
みたいな事をキッカケに、店番とかやるくらいなら戦闘で生業を立てよう。
という発想で職にした流れが多そうです。
そういった元軍人の場合は過去に所属していた部隊がある種のステータスになるため、「学歴主義」ならぬ「隊歴主義」みたいな風潮が現代でもあるみたいです。
ネットで見ると実際の民間軍事会社には特殊部隊出身の元軍人の人も多いみたいです。
戦時に国が軍を拡大し、戦後に軍縮。
煽りを食らってクビになり、傭兵になるというパターンが昔から多く、現代もその流れで大量に雇用が発生しているそうです。
なんとヘッドハンティングによる軍からの引き抜きもあるらしいですよ。
2、「ヒャッハー、アウトローだぜぇ!」な犯罪経歴の持ち主
表の社会で大分やらかしたため、戦争を飯の種にしようと考えた人達です。
普通の職に就くには経歴の傷が大きすぎ、かといって裏社会にも馴染めない・馴染みたくない人がメインでしょうか。
場合によっては上の1とも被りますね。素行不良の兵士とかが浮かびます。
追われているから戦場を隠れ蓑にする。という事もありえますね。
ただ犯罪者=非人格者とは言い切れない上、「生死が係る環境」というのは人の精神を壊すか、人格者にするかという究極の2択問題に近い側面を持つそうです。
もちろん酒や薬に逃げない場合。という条件は付きますが、戦争に関わった時点で、人格面で変化が起こるのはほぼ確定と見ていいのではないでしょうか。
何かのミリタリー本で「傭兵はアウトローと人格者、そして社会の落ちこぼれがなる職業である」みたいな文を読んだ覚えがあります。
3、「戦えば金になる。普通に稼ぐよりも金になるんだ」な出稼ぎさん
これは上で書いた地元の人間を雇う。という経験を経て戦争が金になると知った人に多いパターンです。
特別に腕が良い。というわけじゃない場合でも日本のサラリーマンくらいには稼げるそうなので、出稼ぎの職場として戦場を選ぶという事は、貧困国などでは十二分にあり得ます。
口減らしのために村を出て傭兵になる。などもありそうですね。
ファンタジーの冒険者なんかはこの理由で迷宮に潜ったりするんだろうな。と思います。
現代の戦争は機械メンテや医療系統などで専門分野が細分化しているため、分野に合わせたスペシャリストを雇う事も多くなっています。
つまり一定水準を超えた技術、能力があれば兵隊としての経歴・能力がなくても後衛としての出稼ぎが可能となります。
前線だけでなく、補給やサポート分野にまで傭兵が使われるというのは良くも悪くもシステマチックですね。
兵器の性能も、人材運用も時代と共にどんどん効率化しているのだなと感じます。
武術なんかにもそういう面はありますし、人を殺すことを突き詰めると、結局は効率を追い求める事になるんでしょうね。
はい。
というわけで、「傭兵」に多いであろうバックグラウンドでした。
今回はこの辺でお開きとしましょう。
実はもうちょい書いていますが、長くなるのでそこら辺は次に回します。
というわけで次回のテーマも『傭兵』。
今回書いた傭兵仕事の細分化について絡めつつ、傭兵の行う仕事についてまとめを行う予定です。
もし良かったら、読んでやって下さい。




