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ノルハラ!!―猫に振り回される毎日は悪くない―  作者: なぎゃなぎ


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17/19

第17話 三種混合接種2日目

今日は、出発前に整理券をスマホで取り、出発の準備をした。

朝一に電話したにもかかわらず私の予約番号は7番目。


ここの動物病院は予約は出来ないがスマホのアプリで整理券を取れることを昨日聞いていたのである。

そしてそのアプリを見ると前の順番を確認することが出来る。


私は10おき位に順番が減っていく事を確認し、30分位前位から準備を開始した。



昨日大運動会を経験したおかあさんは前もって猫達が逃げないよう、朝ご飯の後すぐに猫用の檻にユー様とノンちゃんとキーをしまっていた。


「なんでルイ君は檻にいれないの?」


「あの子は自ら檻に入るスタイルだから、捕まえておく必要が無いのよ。」


「けど、昨日嫌な思いしてるから…」


「まぁ、見ておきなさい。」


* * *


その後、時間になり、私たちはユー様達を籠に入れた。

ルイ君の姿は見当たらない。


お母さんがルイの入る籠の入り口を開ける。

「ルイーーー。」と呼ぶ。


ルイ君はどこからともなく姿を現し――

自ら籠に入っていった。


ルイの躊躇いの無さはまるでサーカスの火の輪をくぐるライオンを彷彿させ、私は思わず拍手をしてしまった。


* * *


動物病院にて――


動物病院が得意な猫はそんなにはいない。

待合室にいる犬も猫もみんな緊張しているのが分かる。


待つ順番も予想通り10分位で進み私の前のワンちゃんの飼い主さんの番になった。


… … …


(あれ?)


しかし、10分待っても20分待っても私の番が来ない。


最初は静かだったワンちゃんの診察室から先生の声が聞こえ始めた。


「はい! なので朝晩の2回、お薬を飲んで様子をみましょう!」


「ありがとうございます。 しかし… なんでうちの子がこんな…

もっと早いうちに適切な治療が出来てればこんな事にはならなかっただろうに…」


「はい… ですから、お気持ちは分かりますが、過去に戻って治療をし直す事は出来ませんので…」


(あー…)


医療の先生だって人間だ。

人間の病院もそうだが、医療従事者だからと言って体の構造を完全に把握して、間違いない治療を出来るとは限らない。

似た症状でも全然違う病気の可能性すらあるのだから…。


この飼い主さんはそのミスが許せないんだろうな…。


―――――――――――――――


「はい! なので朝晩の2回、お薬を飲んで様子をみましょう!」


「ありがとうございます。 最初からこの病院に来ていればこんな事にはならなかったのに…。」


「それは、私どもとて、いつも完璧な治療が出来る訳ではありません。

なので、今後はセカンドピニオンと言って、早い段階で別のお医者さんにも診てもらってみると良いと思います。」


(ああ… 別の動物病院で初期診療ミスったのか… だけど、くよくよするより今できる事をしっかりしてあげないとだね…)


―――――――――――――――


「はい! なので朝晩の2回、お薬を飲んで様子をみましょう!」


「ありがとうございます。 うちの子は治るんでしょうか?」


「それは現時点では何とも言えません。」


「どうしてもっと早くここに来なかったあのかしら…」



何回同じ事を繰り返しとんじゃ糞ばばぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!


気付けばこのやりとりでもう1時間以上待たされていた。

うちのユー様、ノンちゃん、キーちゃんがずっと緊張したまま待合室で待たされている。


他にも待合室には私の後の順番の人達も集まり始め、待合室がごった返して来ていた。


ルイ君なんて、飽きてお腹を上にして爆睡していた。


(おい、ルイ… お前はお前で不用心すぎるぞ。 野性らしく緊張感持て。)


それから少しして、そのしつこいおばさんが診察室から出て来た。


診察室で待たされていた飼い主さんは一斉にその空気を読まないおばさんを一瞬にらみ付けたのに気付き、みんなムカついていたんだなと思った。


どうやら昨日もこの展開を作ったのはこの人だったらしい――



そして、申し訳ない事にうちは猫4匹を連れている。

これから普通の4倍の時間が掛かるとみなさんは絶望した事だろう…。


私とお母さんは診察室に入り――


「はい! ユー君!」

「3.5Kg 順調に体重増えてますね! 注射します!」


「はい! ルイ君!!」

「7.8Kg 肉つまめますねw 少し食べ過ぎですが問題ありません。 注射します!!」


「はい! ノンちゃん!」

「4.5Kg ユー君抜いちゃったね。 注射します!!」


「はい! キーちゃん!!」

「2.5Kg ちょっとだけ減ってますが… 問題ないレベルです。 体格的にも問題ありません。 注射します!!」


… … …


流れ作業で10分しないで全員終了!


「手際早すぎて助かりました。」


「いえいえ~。 またよろしくお願いします。」


言ってお金を払う。

次の番の猫の飼い主さんが「はやっw」って喜んでくれた。


グチグチ言ってたおばさんはまだ診察室に残っていたので一瞬私はそのおばさんを睨みつけ、病院を出て行った――



動物を体調不良で亡くしてしまう事や、誤診療で失う事はとても悲しい事ですが、絶対に無いという訳ではありません。

愛情があればあるほどその痛みは大きいですし、その気持ちは分かります。


でもね、お医者さんの診察結果がおかしいと思ったらその場ですぐにセカンドオピニオンをしなかった飼い主が悪いと思います。

その判断ミスはお医者さんだけの責任ではありません。


そして、そんな事を診察中でグチグチ言い続けるという飼い主さんは現在進行形で間違っていると思います。

何故なら、そのせいで他の動物たち全員に余計なストレスを与え続ける結果になっているのですから――


命を大切にするって、結局「その子のために最善を選ぶ」ってことなんだよね。

過去の後悔をずっと振り回すより、今できる最善をしてあげる方が、その子も絶対幸せだと思う。

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