第12話 深夜の徘徊者達
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とある日の晩、私はいつも通り我が家の子達と少し遊んで就寝する。
今日も一日頑張った!
私は偉い子だと思いながら…。
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ルイ君がおもむろに私のベッドに来る。
この猫達の「一緒に寝て~」は本当に可愛い。毎晩やっても癒される。
しかし、ルイ君の場合は一歩間違うと殺人事件に繋がりかねない。
何故なら彼はすでに体重7kg超え。しかも他の子と違い、なぜか彼に限って私の首にお腹を乗せて寝るのだ。
おかげで私は毎晩、首を絞められる夢を見る。
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ユー様が私のお腹の上に飛び乗った。
ユー様はルイ君ほど重くはなく4kg。だが飛び乗るので勢いが付いており、しかも着地する足は小さいため衝撃が一点に集中する。
瞬間的に来るその一撃はなかなか辛い!!
「ぐほぉ!」
流石に私は声を出す。
それに驚いた首の上のルイ君が飛び上がりーー主犯のユー様に襲い掛かる!!
私の体の上で大暴れする7kgと4kg…。
きっと一番ダメージを受けているのは私だ。
戦争をされる地球の気持ちがよく分かる瞬間だ。
「ええい! やめろーーーーー!!」
私は勢いよく起き上がる。
2匹は私に驚き(いや…お前らどこで喧嘩してたと思ってるんだよ…)私の部屋から逃げていく。
当然、足を踏み込むので私のお腹に7kgと4kgの重圧が一瞬掛かる…。
私はひとり、ベッドでうずくまるーーー。
※猫同士の喧嘩はけっこう本気でやるから危ないけど、あいつらはすぐ忘れますw
根に持つ子もいるけど、今の私の「やめろーーー!」で喧嘩してたことすら忘れる。
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1時のごたごたが落ち着き、私がベッドでうとうとし始めた頃。
カタンカタン…
部屋の猫用ドアが開く。
「にゃぁん」
この声はユー様だ。
彼は私の部屋の一番高い棚の上が大好きで、そこに上っていく気配を感じた。
(ユー様も就寝でございますね。おやすみなさい。)
私はうとうとしながら挨拶をする。
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ガリガリガリガリ…
不穏な音が部屋に響く。
電気を付けて確認すると、ユー様が壁で爪とぎをしていた。
「ちょっと! 壁での爪とぎはやめてって!!」
私は猫部屋からユー様お気に入りの爪とぎ用スノコを持ってきて渡す。
すると彼はスンッとした顔で、部屋を出て行った…。
(お前…止めるんかい…)
※猫の爪とぎは放置すると半年くらいで太い柱を半分くらいまで抉るから注意w
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ウトウトし始めた頃、今度はノンちゃん登場!
部屋に来るなり「にゃーーーん」と可愛い声を出しながら私の手に頭をこすりつけてくる。
「はいはい…」
眠気混じりに撫でてあげる。
一度甘えん坊モードが入ったノンちゃんはかなりしつこい。
頭を撫でたら次は首、さらにお腹…。
注文が多くなり、私の目はだんだん覚めていくーーー。
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ノンちゃんがやっと満足したようで解放してくれた。
さて、寝よう!!
そう思った私の視界に、こちらをじっと見つめるキーちゃんの視線が…。
(ぐぬぬ…)
私は起き上がり、キーちゃんを撫でてあげ始めた。
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無事キーちゃんも寝付いてくれ、今度こそ私はベッドに潜る。
ブォロロロロ…
新聞配達のバイクの音が耳に入り、まだ寝れていない私は少し焦る。
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ユー様再登場。
どうやらどこかでひと眠りして、すっきりした模様。
要件は…「朝のもふもふをしろ」。
さすがに眠気MAXの私は無視して寝ようとするが、ユー様の格言は「忖度はさせてもするな」だ。
寝ている私の顔に頭を勢いよく擦り寄せてくる。
しかも鼻を狙って攻撃してくるのだ。
(痛いんだな! これが!!)
涙目になりながら、私はユー様を撫でまわす。
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ガチャ。
朝の早いママが起きてきた。
外はもう明るい。
……私の眠れぬ夜が、完全に終わってしまったのだった。




