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オススメ作品(シリアス系)

夏祭りの夜、君は男を脱いだ

掲載日:2022/12/05

 アキラとは幼い頃からの付き合い。

 いつもいじめっ子から守ってくれてた頼り甲斐のある用心棒だ。

 高校生になった今でも、僕はアキラに守ってもらっていた。


 そのせいで……なのかな。

 アキラがあまりにも男らしく育ってしまったのは。


「おう、裕翔ゆうと! 一緒に帰ろうぜ」

「ごめん、アキラ。今日はどうしても部活に外せない用事があって……」


「手芸部か。忙しそうだな。じゃ、一人で帰るけどよ、帰り道襲われないように気をつけろよ?」

「あ……、アキラ!」


「ん? なんだ?」

「あのさ……。明日の夜、神社でさ、夏祭りやるだろ?」


「そうだな」

「一緒に行かない?」


「いいぜ? 楽しみだなー。何食おっかなー」

「で……。その……さ。できればでいいんだけど……。浴衣、着てきてくれないかな」


「浴衣なんて俺が持ってっと思うか!? 言っとくがトレーナーとかTシャツしか持ってねーぞ!?」

「うちの姉ちゃんの貸すからさ」


「なんでだよ!? きっっしょいな(笑)! 俺に女みてーな格好させてーのか? 何の罰ゲーム……」

「たまにはさ、女の子らしいアキラが見たいんだ」


「は……? はっ!? 何それ、珍獣に可愛い服着せたいみたいな好奇心か!? 大体、浴衣なんて着てたらおまえのこと守ってやれねーんだけど!?」

「いいよ、もう、守ってくれなくても。これからは僕がアキラを守るから」


「何言ってんだよ、おまえ! 俺がいねーとおまえはなんにもできねーだろ!」

「そんな自分が嫌なんだ!」



===



 そして夏祭りの夜、アキラは白地にピンクの水玉模様の入った浴衣を着て現れた。

 筋肉のムキムキは隠せてないけど充分女らしい。眩しかった。


「似合ってるよ」

 僕がそう言うと、初めて見るような、女の子の笑顔を照れ臭そうに浮かべた。

「男がスカート穿いてるみたいじゃね?」

「そんなことない」


「わあっ! 兄ちゃん、可愛いね!」

 おっといつものように僕に絡んでくる不良が登場だ。

「俺らと付き合えよ! なぁ、いいだろ? ハァハァ」


 これもいつものように、腕まくりをして全員ぶちのめそうとするアキラを僕は止めた。不良の前に立ち塞がると、言ってやった。


「僕、彼女がいるんです。ごめんなさい」


「はあっ!? もしかして後ろのソイツ、女なの!?」






 不良たちをボコボコにしたアキラと手を繋いで境内を歩いた。


裕翔ゆうと……。さっき、カッコよかったよ」


 振り向くと、彼女が男を脱いでいた。

 明るい月に背中から照らされて、僕の目の中で、他のどんな女の子よりも可愛く見えた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 序盤から勘違いさせられながら、なるほどと感じた物語でした。 [一言] 読ませて頂き有難うございました。
[良い点] わあ、いいですね! 女の子に見えちゃう男の子と、男の子に見えちゃう女の子、とってもかわいいお話にニンマリしました。 読ませていただき、ありがとうございました!
[良い点] 裕翔くんが女装すればバランスがとれますね! [一言] 王子(?)と姫(?)の疑似TSモノ(妄想中)……新しい扉が見えてきそう。 ……悪くない、悪くないぞー!(歓喜)
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