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痛みに
ねむりのなか
あなたを見つけるまで
無窮の春に
ゆらぎを覚えること
薄いまぶたの
脆弱な寒
指先の熱で
たゆんだ影のよりをもどすように
わたしは風に吹かれながら
角ばった街に佇むだけ
ねむりは浅く
こころはすでに拡散して
親指を嚙んだていどの痛みにひたる
つよく、つよく、
肢体の
まるで脆弱な夢よ
日々は淡く
敬虔になりたい
泥濘に沈み
永遠とは浅さ
停滞する街のうごめきを見る
かすかな蠢動に
わたしは空っぽで
それでも春が来たということ
そのすべてが空虚な痛みである