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塵に
面影が
塵に帰すころ
いろのうすいさくらは
慰みみたく
うつろい
こわれ
虚まで向かう
構造の血管
永劫の帰結
未完の立体として
青あざだらけのからだを
あなたは慰み
わたしは
引きずることのできない痛みを
もてあましている
面影は、春
もうすこししたら
さくらの散るふうなにおいで
また忘れようとする
面影は 春の
永遠を毀損するうつろいにまかせて
頸を斬り
虚をみる
さくらの下に永遠はあるか
愚直に
瀛を切望する
愚者として
過去を夢む
からだと乖離する記憶の
塵に吹く
風よ