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それでも 〜佐伯 侑士〜

佐伯 侑士(さえき ゆうし)17歳。


「侑にい、邪魔なんだけど」


「ごめん、俺も手伝うよ」


「じゃ、そこの食器取って」


「おう」


一つ下の弟の侑樹(ゆうき)が夕飯の準備をしている

侑樹は俺より勉学、スポーツとなんでも出来るし

兄の俺が言うのも何だがイケメンの部類だろう

侑樹は特別それに頼ることもなく

自分を持っている。

そんな弟に見本にもなれない

俺はダメな兄貴だ。


「いただきます」


食卓はいつも2人

お母さんは侑樹が生まれてすぐに病気で亡くなった。

元々の持病が原因らしいが詳しくはお父さんは教えてくれなかった。

お父さんは、朝早くから仕事で俺達が寝静まった時に帰ってくる

父親は温厚でいつも「ごめんな」って寝ている俺達の寝室にやって来ては

それを言う。

悪い事なんてなにもないのに


「侑にい、今日フラれたんだってなw」


「プッ、なんでそれを?」


「いやいや、友達が見てたんだよ、お前の兄貴見事に撃沈してたってw」


「ま、まあ、今回はダメだっただけだから、次こそは」


「もしかして、もう一回告白するの?」


「無理かなぁ」


「頃合い見てしてみたらいいんじゃない?」


「そうだな、ガツガツ行くのも何だしな」


「だね」



料理は侑樹、片付けは俺の担当だ。


「侑にい」


「なんだー」


「年上の彼女ってどう思う?」


「いっ、、、ま、まあ、いいんじゃね」


「最近さ、むちゃくちゃ気になる人がいて」


「知り合いか?」


「全然知らない人、近所のあのよく侑にいと遊んだ公園でさ見かけて」


「どんな人だ?」


「子持ちで人妻かないつも子供と2人だけど毎回見かけるわけじゃなくて時々」


「それは、無理じゃねか、旦那さんに知られたら殺されるぞ」


「いや、俺は想うのは勝手だと思うから、いつか伝えたい事は伝えるよ。」


スゲーよ、侑樹。俺なんて同級生にフラれたんだぞ。



夜中


榎本さんの事を想った

榎本さんのクラスで榎本さんを見かけると

途端に胸が熱くなる

なにか陰がありそうな瞳に俺は引き込まれていくんだ

フラれたけどそれでも好きなんだろう俺は。


ガチャ


玄関が開きお父さんが帰って来た

いつもの通り

「ごめんな」と言うと俺達の部屋から出る。

その度胸が締め付けられる思いがして

子供の俺はなにも出来ないと

虚しい気持ちなるのだ。





読んで頂きありがとうございました♪


また、近日投稿します!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ありがとうございます。 このお話し、自分と被る所多々有りまして…キッツいです が、とても良いです。あと読みやすい。 ありがとうございます。 [一言] 素人で偉そうで、ごめんなさい。 次…
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