冷たい掌 〜佐伯 侑士〜
学校をズル休みした
テレビゲームをしたり、ネット動画見たり
ぐーたらしてダラダラして
気づけば昼12時過ぎ
流石にお腹が空いてきて1階のリビングに行き
冷蔵庫を開けると昨日、晩飯で侑樹が作った炒飯が入っていてラップの上にメモが貼ってあった
『侑にい、学校ズル休みしたんなら今日の晩飯の買い出し行ってきて』
侑樹には、バレバレだったみたいだ
綺麗な字で買うものが書いてある
ジャガイモ1袋、にんじん2本、玉ねぎ1つ、牛肉、カレー粉。炒飯食べてから買い出しに行こう。
そして、レンチンして昼間の報道番組を見ながら
ボーっとした。
そして、食器を洗って
ダボダボの黒のパーカーにスエットに着替えて
ポケットに手を入れて買った物を入れるために大きめの空のリュックを背負いスーパーへ買い出しに外に出た。
信号を渡ればもう直ぐにスーパー、信号待ちをしていると向かいに榎本さんが桜井さんと2人で談笑しながら信号待ちをしていた。
心臓がヒュッと縮こまった気がしてスーパーに行くのを諦め家に帰ろうと方向かえる瞬間に
「佐伯くん!」桜井さんが元気な声で手を振って
榎本さんは、小さく手を振っている
タイプの違う2人だなって冷静に思う自分がいる
はっとして、俺もぎこちなく手を振りかえした。
青になって駆け足で信号を渡る2人
「おはよーって、もう昼か」
桜井さんがポンと俺の左肩に触れる
桜井さんは、この前電車の中の表情とは違いいつも通りの天真爛漫だ。
「そうだね」
「佐伯君は?」
「うん、体調悪くて病院の帰りなんだ」
咄嗟にウソをついてしまった
手汗がポケットの中で滲んだ
すると、榎本さんは俺の額に手を当てる
その手は、冷たい風のせいか冷たくて発熱なんかしてないのに気持ちよかった。
「榎本さん、あの」
ハッと榎本さんは、手を額から離す
俺の心臓は、バクバクしていた。
「ごめん、心配になって」
「ちょっと、人前でイチャイチャしないでよー」
桜井さんが茶化すように言う
桜井さんの気持ちを思うと
居た堪れなくなった。
「ありがとう。それじゃ、また、学校で」
そのままスーパーに行って買い出しに行き
わざと遠まりして家に着く頃には、夕方になっていた。
こんなに逃げ続けることは、ダメだと分かっているのに。
自宅前にインターホンを押そうと指を伸ばしている
同じクラスの藤沢さんが俺に気付き
近づきながら下から上ゆっくりと俺を見る。
「どうしたの?藤沢さん」
「ふーん、そう」
お読み頂きありがとうございます♪
今回は、大分と久しぶりに投稿出来たので
自分的には、ホッと出来ました〜
また、投稿するのでお読み頂けたら幸いです!




