晴天 〜橋野 康二〜
「橋野さん、あの今日はありがとうございます」
「そ、、う、こちらこそありがとう」
東山の姿に思わず見惚れてしまって
俯いた
こんな子と俺は一緒にいて良いのだろうか
休日の遊園地、子連れや恋人同士やらで賑わっているけど、そんな事気にもしない程
綺麗だ。
「えっと、少し緊張します」
俺がリードしなければ
ふっと榎本さんと春流ちゃんの姿を探し辺りを見回すと
もう2人は居なくなっていた
これから2人きりかぁ
気合いを入れないと!
「よし、行こうか」
「は、はい!」
先ず、観覧車?早いかな、ジェットコースター?
東山の意見を聞こう
「東山は何乗りたい?」
「私は、橋野さんが乗りたいもので大丈夫です」
東山が好きものって何?分からん
自分のリサーチ不足に呆れる
俺って東山の何もわかってないよな
さっき売店で買った
コーヒーを飲みながら考えていた最中
肩に誰かの肩が当たる音がした
「ちょっ、痛いじゃん!」
「すみません!大丈夫、、、ですかって
久留美か」
「橋野のおっさん、久留美かぁじゃないよ!」
「すまん、すまん。何か奢るから許して」
すると久留美は俺に肩を寄せてヒソヒソ話をするかのように耳元で話す
「誰、あの明らか橋野のおっさんに不釣り合いな美人は?」
「悪かったな、高校時代の後輩で名前が東山」
「もうやった?」
「何を言ってんだ」
「うわー、何か勘違いしてる恥ずかしいー!キスだし」と久留美は自分の唇に人差し指を当てる
揶揄いやがってこのガキンチョが
言ってもキスもまだじゃ
「ふん、これからだよ!」
「へー、じゃ頑張ってねー。私は侑くんとデートだから」
「あっそ。じゃなー」
久留美は、東山に手を振って去っていった
ほんと台風みたいな奴だ
「あの子何と言うか明るいですよね。ビックリしちゃいました」
「だけどなアイツ好きな人の前だと全然別人だから」
「えっ、そうなんですか」
目をパチクリさせて驚く東山
「むちゃくちゃ、大人しいの何の」
「気持ちわかります」
「そう?」
「言わせないで下さい、恥ずかしい」
「すまん、あのさ東山」
「は、はい?」
「改めてだけど、今日は本当ありがとう」
「いえいえ、私こそありがとうございます」
「榎本さんと春流ちゃんに感謝するよ
東山と一緒にこうして会えて
俺は嬉しいよ」
「私も、嬉しいです」
「うん、なんだか照れ臭いな」
「そうですね。私もなんだか」
ここしかない言うぞ『好きだと』
「東山、その」
「私、先輩の事が好きなんです!」
びっくりした
まさかの逆驚いた
体育館裏のアニメや漫画にありそうな
告白のシチュエーション
俺は馬鹿かそんな事考えんな
東山は言ってくれたんだ
俺だって
「ありがとう、俺も好きだ」
俺の心臓が爆破するんじゃ無いかと言うくらいに
鼓動が速くなって大袈裟に言えば倒れそうだ
良い大人が、いや、関係ないか
周りに居た人から「おめでとう!」と祝福された
俺は照れ臭くて軽く会釈しながら
東山の手を握ってその場から離れた
東山の手を握りながら見上げた空は
手の温もりのせいか
暖かく俺達を見守る様に
どこまでも澄み渡っているように見えた。
投稿が大分と遅くなりました泣
良ければよろしくお願いします!




