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遅刻 〜桜井 春流〜

あ•••遅刻だ。

いつも、午前6時に設定してあるアラームを掛け忘れ。起きたのはもう時計が正午になろうとしていた所だ。そう、私は学校に寝坊した。

意外と冷静なもんで暫く私はその現実を逃避するかのように

天井をベッドの上から見上げてた

次にスマホを確認すると

楓から着信とメッセージが入っていた

『春流大丈夫?何かあった?体調悪いの?』

楓は心配してくれていた

実は寝坊なんて言ったら楓怒るかなぁ

うーんと

もう、ズル休みしちゃお

楓に連絡しないと

時間的に昼休みだ

楓1人かな。寂しがってるかなぁ


『あ、楓ごめんね。連絡気付かなくて』


『春流!心配したよ〜、体調悪いの?』


『そうなの、頭痛くて寝込んでたんだ』


『そうだったんだ。朝、先生が桜井から休みの連絡無かったって言ってたし私も何か事故にあったんじゃないかって心配したよ』

あー、嬉しい泣きそう。こんな心配してくれるなんて。罪悪感しかない。楓には申し訳ないな。


『ごめんね。遅いけど休むよ』


『わかった。先生に言っておこうか?』

先生怖いしお願いしよう


『良いの?ありがとう』


『春流、お大事にね』


『うん、ありがとう』

楓と連絡を終えて1階のリビングに歩を進めた。

静まり返った家には私の足音だけが響く

ズル休みしたって私を叱る親は居ない

ただ広いだけのリビング、冷たい床、湿った空気・・・最悪。

オレンジジュースを注ぎソファに持っていく

「はぁ、暇だなぁ」

どうやってこの1日を過ごそうかな

外に行くにも

めんどくさいしー

誰からか連絡こないかなぁ

スマホの画面を眺めてると

【佐伯 侑士】の表示

佐伯君からメッセージを受け取った

え⁈嬉し


『おはよう!桜井さん体調悪いって聞いたよ

あ、でも返信は体調悪ししなくても良いから

ゆっくりしてね。お大事!』

本当に優しいなぁ

楓が羨ましい

泣きそう。

けど、メッセージをくれたんだ返信をしないと


『おはよう^_^佐伯君メッセージありが』

違う。文字を消す。


『佐伯君おはよう!起きた時に頭が痛くて。あ、けど今はだいぶ良くなってし、しかも学校明日休みだしゆっく』

違う。文字を消す


『連絡もらえて嬉しい!会いたいよ(><)す』

違う。文字を消す

結局何も返信出来なかった

佐伯君はそもそも返信をしなくても良いって

言ってるんだから良いじゃん

でも、返信の内容を考える時くらいはほんの少しだけでも想っても

良いよね・・・。



時計はもう16時を過ぎ今日も誰も帰って来ない家で

ソファから余り動かず寝巻きのままで独りぼっち

コテンっと倒れ

私はスマホゲームしたり、音楽聴いたり

スナック菓子をポリポリ食べて、寝て

「はぁ、学校行けば良かったなー」


ピンポンとチャイムが鳴る

「春流〜」

楓だ!

「楓今行くよ!」

玄関にまで走って行った。

扉を開けると、楓が買い物袋を持っていた

「春流大丈夫?お粥作ろっかなって」


「ありがとう〜、嬉しい!」


「じゃあ、お邪魔するね」


「入って入って!」


「なんだか春流元気だね」


「楓の姿見たら元気になっちゃったよ!」


「そう、良かった」

楓は胸を撫で下ろし安堵した様子だった

余程心配してたみたいだった。


楓は台所に立つとテキパキとお粥を作っていく

楓が料理が上手いと知ってたけど

手料理食べるの思えば初めてだ

その姿を私はソファからまるでお母さんの料理が出来るのを今か今かと待つ子供のように

ウキウキしながら待った。


「今日さ、楓が来てくれて本当嬉しかったよ

家って殆ど誰もいないし独りになるから寂しかったんだ」


「私も今日春流がいなくて寂しかった」


「ごめんね」


「ううん」


楓はカチッとコンロの火を消す

「よし、出来た。口に合うといいけど」


「楓が作ったんだから美味しいに決まってるよ!」

お粥を2人で

久しぶりに誰かと家で喋りながら食べた


「あ、梅干し美味しい!」


「これね、私の家で漬けた梅干しなんだ」


「え、もしかして一度帰ってから来てくれたの?」


「気にしないで食べて欲しかったから」


「ありがとう楓、大好き!」


「私も春流!」



「それじゃ春流、また学校でね。ゆっくりしてね」


「あ、うん、バイバイ。今日はありがとうね」

帰ちゃった

泊まっていって欲しかったな

さっきまで楓がいたリビングにまだ温もりがあった

「うーん」っと背伸びをする

お風呂入って、寝ちゃお

スマホを何となく確認すると

侑樹君からのメッセージだ

『桜井さん、こんばんは侑にいから体調崩してるって聞きました。お大事になさってください』

固いな言葉が〜

でも、嬉しいね

『ありがとう!体調も戻って来たし〜

また、皆んなで遊ぼうよっ』って返信した。


パタンとスマホをソファに置き私もソファに寝転ぶと

ものすごく眠くなって

寝落ちした。




お読み頂きありがとうございます♪

また、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読いたしました! 春流ちゃんが少し元気になって良かった! 一人で過ごす広いお家はやっぱり寂しいですよね。 楓ちゃんのおかげで温かさを感じられてゆっくり寝られたらいいな〜。 ありがとうござ…
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