〜再々会〜 橋野 康二〜
俺はあの日以来な名も知らない彼女が気になってしょうがない
「あのー、橋野さん?えーともしもし?」
「橋野さんってば!」
「へ?榎本さんどうかしました?」
「仕事手についてないですよね?」
「そんな事は、ありゃ」
俺はトイレの床を拭く為に置いていたバケツをひっくり返していた
あーあ、床が水浸し、、、やり直しだ。
「ありゃじゃないですよっ」
「すみません、、、ってあれれ、榎本さん何か張り切ってますね?」
「別にいつも通りですよ」
いやー、なんかあるなコリャ
「何かあると俺は見た!どうですか?」
「実は」
「良かったじゃないですか」
榎本さんは大学に進学するって話しだった
お母さんがお金の工面を
榎本さんもバイト代を貯めて
少しでも足しにしたいそうだ
実は榎本さんから進路の事で相談されていた
大した答えは出せなかったが
彼女がこうしてイキイキとしているの姿を見ていると
俺も頑張らないとなって思う。
閉店後
「榎本さんお疲れ様でした」
「お疲れ様です橋野さん」
俺は、榎本さんと別れた後
タバコを切らしていた事に気付く
マジかー、この辺自販機あったけな?
確か公園にあったはずだ
俺は近くの公園に向かう
あった、あった
タバコを購入
タバコって年々値段が高くなってるよな
金なしには厳しいわ
ベンチに座りタバコを吸う
ふぁー落ち着くわ
夜って事もあって誰も居ない。開放的な気分になる。
何となく夜空を見上げると星が綺麗に輝いていた
来週榎本さんの知り合いに会う
どんな人だろうか?そんな事を思いふけていた。
「あ、あの横いいですか?」
女性の声だ
暗がりで顔が見えない
俺は、慌ててポケット灰皿にタバコを入れる
知らない男の横座るとはガードがなさ過ぎる
俺で良かったよ全く
「いいですよ。俺もう行きますのでどうぞ」
「待って下さいっ」
「えっ」
「覚えてないですか?私の事」
良く目を凝らして見ると
いつかの超絶美人
仕事帰りだろうかスーツを着ていた
待て待てよ
考えろ、考えろ
あの件で訴えるぞという事を伝えに来たのか
ヤバイここは冷静に
「覚えていますよ」
「ああ、良かった」
ほっと胸を撫で下ろしている
遂に訴えるという事か
終わった俺まだ何もしてないのに
「もしかして、俺の事訴えると言いにですか?」
「え、え⁈違いますよ、、、ただ言いたい事がありまして。その私の名前分かりますか?先輩」
先輩?こんな美人の後輩いたかな?
誰だ、女子だろ。遠藤、佐久間、山本、違うか。分からん
呼び起こせ、呼び起こせ記憶を遡れば
あっ、無理だ分からない
正直に言おう
「すみません、分からないです」
「ですよね。分からないですよね。東山 東向きの東に山の山です思い出しました?」
その名前を聞いた瞬間彼女の事を思い出した
「東山か⁉︎マジか!むちゃくちゃ雰囲気変わってたから全然分からなかったよ」
何故かよく俺のクラスに来てたから見覚えがあって
健と「また来てるな」って話ししてた。その子だ。
「はあ、良かった。私忘れられてるって思って中々言い出せなくて」
「最初から言ってくれたら良かったのに、ぶつかった時の事がずっと申し訳なくて気になっててさ。改めて言わせてごめんな」
「いえいえ私も急いでたんで気にしない下さいってこんなやり取り前にしましたね」
東山はクスクスと笑う
「確かにそうだな。東山ってよくこの公園来るのか?」
「そうですね、会社帰りにボーとしたり星を見たりスマホ弄ったり」
「けど、東山夜は危険だろ大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、もう大人ですしこう見えて護身術学んでますし」
細く白い腕を曲げて見せる
「それは頼もしいな。でもまあ久しぶりに大人とじっくり話せた気がするよ」
俺は最近の出来事を続けて言う。
「最近さ高校生と仲良くと言うか懐かれてると言うか、俺的には嬉しいけどね。
東山は最近どう?」
俺は夜空を見上げて言う
「私も似てる事があって、春流ちゃんって子なんですけど、もう妹みたいで可愛くて」
「いや、驚いたな。春流ちゃんと東山が知り合いなんてな、しかし世間は狭いよな」
「実は橋野さんの事、春流ちゃんから聞いていて。橋野さんが来週会う人って
それ私の事なんです」
「そうなんだな、俺達は遅かれ早かれこうして会っていたんだな。だったら来週会った時には2人に内緒で初めて会った程にしておこうか」
「は、はい、、、それで、橋野さ」
「会おうか、またこうして星見たり、適当に喋ったり。俺も、その、会いたいと言うか何というか」
俺は照れを隠すように頭を少し掻きながら言った
「嬉しいです!会いたいです」
東山は嬉しいそうな表情で俺に言った
その表情が嬉しいくて思わず顔を逸らした。
「おう、ありがとう」
照れのせいで思わずぶっきらぼうに言ってしまった。
俺と東山はこの後1時間程話した
互いに連絡先を交換し。東山と別れた。
後、東山やっぱりむちゃくちゃ美人だな
ドキドキしたわー。
俺は残ってまたタバコを吹かす
「タバコもそろそろやめないとな」
そう言ってポケット灰皿にタバコをしまう。
お読み頂きありがとうございます♪
また、投稿しますのでよろしくお願いします^^




