表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/54

ダッセー 〜白川 久留美〜

「久留美なんで私らが謝んないといけねーんだよ」

絵里は、さっきの事が気に食わないくて


「そうだよ、アイツからだよ突っかかって来たのでさ、ムカつくから「バーカ」って言ってやったけど〜」

咲耶は、別に言わなくて良い事をペラペラと誇らしげに言う


「2人共っ!」


2人「はいっ」


「そもそも、あんな話しをしてたアンタらが悪いよ!」


「久留美だってこの前、電話で話してたじゃんか〜」


「、、、、」


「久留美、ブーメランじゃん。あはは」

咲耶は私に指を指して笑う


「うーん、けどやめた!こんな事言ってたって意味ないし。だからもうやめよ」

この前、橋野のおじさんと会った時に桜井先輩の名前は伏せて

陰で悪口を言う事をもう辞めたいと橋野のおじさんに言ったら

『人の事をコソコソ言うのは何も自分の得にならないし。やめたいと思ってる内にやめないと俺みたいな堕落した人間になっちまうぞ』って笑いながら言ってた。

それを聞いて私は自分のしてる事がとても意味ない事って改めて分かった


「私らは別に良いけど、なあ咲耶」


「良いけどー」


「久留美さ、アイツ知ってんの?」


「侑くんのお兄さん」


「あの、冴えない感じのザ・普通全然、侑樹君と似てねじゃんなー咲耶」


「似てねーし」


「確かに似てないけどね」


「まっ、もうどうでも良いやー」


「どうでもいいしー、ねえ、絵里昨日さー」

もう話題が変わってる

この2人は切り替えが早い


「今日ごめん放課後職員室に呼ばれてるから先帰ってて」


2人「分かったー」



「失礼しました」

私は、職員室を後に


「あ、」

声の方に視線を向ける

佐伯先輩がいた


「佐伯先輩今日はすみませんでした。」


「もう良いよ。でさ、何で俺の名前知ってんの?」


「侑樹君のお兄さんですよね」


「そこまで。でもさ、俺あまり侑樹と似てないだろ?」


「そうですね。冴えない感じですね」


「軽くディスってね?」


「そうですねディスってます」


「そうだよな、、、事実だし、、、はあ」

落ち込み出す佐伯先輩

「今日一緒に帰りませんか?」


「えっ、ああ、うん、良いけど」


帰り道

「でね!佐伯先輩侑くんが私の事全然相手してくれないですよー」

佐伯先輩にぶちまけてやる


「そ、そか」


「好きなのにー」


「俺にそれ言うか⁈」


「えー、いいじゃん!佐伯先輩って話しやすいんだもん」


「先輩だよ俺一応。で、今日知ったのにもう距離近くね?」


「嫌って、、、事すか?」


「嫌と言うか何というかー」

佐伯先輩の肩を叩く


「イテテ、凶暴過ぎるだろ」


「あははは、腹痛い泣きそう、もう最高です!佐伯先輩。私完全にハマったわー」


「ハマんじゃねーよ」

やべえマジで泣きそう

佐伯先輩は、侑くんとは違って話しを聞いてくれた


「、、、佐伯先輩、、泣いて良いですか」


「ど、どした急に⁈」


「う、う、わああああ、こんなに好きなのにいいいー!」

ペタンと歩道に座り込んで大泣き

通行人がなんだと見てくる

私は思っていた事を吐き出す

「冷たいし、鬱陶しそうだし、目も合わせてくれないし。私ってウザいの?分かってたけど

こうするしか思いつかないんだもん、もう分からないよー!」


佐伯先輩は膝を抱えて泣く私に着ていた上着を私の顔が見えない様に被せて

私の吐き出した言葉をただ黙って泣き止むまで座って側にいてくれた


「どう?落ち着いた」


「、、、う、ん、見っともないとこ、、、すみません、、ありがとうございます上着」

佐伯先輩は上着を受け取る

「まあ、俺も泣きたくなる時あるし男なのにダッセーだろ」


「ダッセー」


「うるせ、ほら帰るぞ」


「うん」

佐伯先輩は立ち上がり私に手を差し出す

こんな事されたら勘違いしちゃうじゃんか



「佐伯先輩が好きな人って誰ですか?」


「、、、誰にも言うなよ、、、榎本 楓さんだ、マジで言うなよ」


「榎本先輩ですよね、、、ハードル高く無いですか?」


「だよな、高いんだよ。けど、好きだし。告白しても振られたしな」


「した事あるんですか?」


「あるよ、一回振られたけど友達ならってね」

私は何も侑くんにしてないくせに

泣いてバカみたい。


「佐伯先輩こっち向いてください」


「何?」


「はあ、良いですか?こっち向いてください」


「へいへい」


「あの口元に米粒ずっと付いてましたよ?ダサーい」

米粒を佐伯先輩に見せる


「くっ、、マジかありがとう」


「で、もう一つ、少ししゃがんで」


「まだあったか、こうか?、、、って、へ?」

私は佐伯先輩の頬にキスをした


「お礼と言うか何というかそのー、勘違いしないでくださいね。好きなのは侑くんだしー」


「どどどどうした⁉︎」

キスした所を押さえながら顔を真っ赤にて驚く


「驚き過ぎー本当ウケるわー。あ、私、白川 久留美だからよろしく。先輩〜」


「う、うるせーよ、白川」


「じゃあね〜、佐伯先輩私こっちなんで」


「おう、、じゃあな」



家に着いて

お風呂に入ってベットでまったりする

佐伯先輩本当ウケるわ

ちょっと揶揄ったらあれだもんな〜

侑くんに電話してみようかな

私はスマホを取り出して侑くんに電話した

『久留美かどうした?』


『ごめん何となく電話してみたんだけど、迷惑だった?』


『、、、迷惑、じゃないけど』


『今日、』


『あー悪い久留美。今勉強で忙しいくて、切るね』


『おーい、侑樹飯出来たぞー』

微かに佐伯先輩の声が電話越しに聞こえた


『あ、』

電話が切れた

プー、プー、プー

という冷たい音がスマホから聞こえる

「バイバイ」も聞いてもらえない

佐伯先輩の声だ

胸が落ち着く


そんな私がいた。





お読み頂きありがとうございます♪


また、読んで頂けると幸いです^^



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 拝読いたしました! いやぁ、そこが仲良くなりますか(*ˊ˘ˋ*) お兄ちゃん優しいからなぁ。 泣いてる女の子はほっとけないですよね〜(´Д` ) でも、どっちを好きになっても報われない気…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ