思いと想い〜東山 瑞波〜
「お姉ちゃん!おはよう」
「おはよう!春流ちゃん」
今日は、春流ちゃんに会ってご両親の事を聞きたいと
あの橋で待ち合わせた。
「お姉ちゃんに会ったら渡したいって思ってたんだー、気に入るかな?」
春流ちゃんがゴソゴソと鞄から何かを取り出す。
「なになに?」
「えーとね〜。はいっ、どうぞ」
春流ちゃんは、ネコのキーホルダーを私に手渡す。
「わあ、ありがとうカワイイね!」
「良かった〜、気に入ってもらえて私が黄色でお姉ちゃんが白これでお揃いだね!」
鞄に付けている黄色のネコのキーホルダーを手に取って見せてくれた。
愛らしいその笑顔をまた、見る事が出来て私は安心した。
「お姉ちゃんの家に行くんだよね?」
「そうだよ。大丈夫?」
「全然、大丈夫だよ。初めてだからうれしい」
「あー、良かった。嫌だったらどうしょうかなって思ったよー」
「思わないよ〜、お姉ちゃんって心配症だね笑」
「かなー笑。」
家に到着。
「お邪魔します〜」
「どうぞ、入って。」
リビングに春流ちゃんを案内する
「これって、お姉ちゃん?」
テレビの横に置いてあった私の高校生時代の写真
入学式と書いた看板の横でお父さんとお母さんの間に挟まれて
恥ずかしいそうにモジモジしてる
写真。お父さんとお母さんがこの写真を気に入ってずっと飾ってある。
「そうだよ。多分、春流ちゃんと同じ歳くらいだと思う、恥ずかしかったな」
「いいな、仲良さそうで。あっこの写真は、もしかして彼氏?」
「違うよ!先輩だよ」
当時、大好きだった先輩
と私が2ショットで写ってる写真だ。
心臓が破裂しそうなくらい緊張しながら
友達と3年の教室に行って私は一言も喋ってないけど
友達がうまい事、2ショットになるように撮ってくれた。
私は顔を上げれなくて
全然ダメだった。
好きだった先輩は、こんな私の事目にも止まってなかっただろし
今となっては知るよしもないけど
あの時は青春だったな。
「この男の人どっかで見た事あるような気がするー、気のせいかなぁ」
「気のせいでしょ」
「そうかなぁー、因みに名前は?」
「橋野 康二さん」
「この前、会ったよ!」
「え、」
私は固まってしまった。
その後、顔が赤くなるのが分かった
橋野先輩がこの街にいる?
「楓の知り合いで私の事気にかけてくれたんだ。ホントいい人だよね」
「え、と、ホント?」
「ホントだよ。ちょっと元気なかったみたいだったけどね」
うそー!
やっぱり居るの?橋野先輩
ど、どうしょう。
いやいや、違うよ。今日は、春流ちゃんのご両親の事だよ。
切り変えないと。
「あ、は、懐かしいなあー。橋野先輩いるんだこの街に、、偶然だね。でね、あのね、、」
「良かったじゃん!お姉ちゃんアタックしてみようよねっ?」
完全に春流ちゃんのペースだ。
「あ、うん、そうだね。でも、ね、橋野先輩は私の事なんて知りもしないよ」
「だったとしても、こんな美人が好きですって言ってきたら。もうイチコロだよ!
うんっ」
「かな?」
「うんうん大丈夫だよ」
ヤバイ、ヤバイ
心臓がドキドキしてる。
この日は、ずっと橋野先輩の話題で持ちきりで
ご両親の事は何も話せなかった。
お読み頂きありがとうございます♪
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