笑顔〜佐伯 侑樹〜
「今日も侑樹くんカッコいいー、アイドルになれるよ」
「いや、俳優でしょ」
「私達なんて、全然相手なんてしてもらえないよねー」
3人「だよねー」
という声がコソコソと聞こえる
僕はそんな声が大嫌いだ
勝手に評価されて
勝手に離れて
また、勝手に
だから、僕は敢えてその子達に話しかける
話せば分かるさ僕は詰まらないやつだって
「あのさ、僕の事話してた?」
「、、えっ、、と、」
「だったら、やめてくれよコソコソ話すのは」
「、、ごっ、、めん、、なさい」
そう言うと3人共走り去った。
僕は侑にいと全く違う
侑にいみたいに真っ直ぐじゃないし
何でもすぐに諦めがつくし
実際東山さんにフラれた時も直ぐに諦めた。
桜井さんの事ももしかして気の迷いかも知れない
そうだとは思いたくないが
帰り。
久留美のどうでもいい話しに
機械的に相槌と笑顔で対応する
この時間が苦痛で堪らない
「じゃあね、侑くん」
「うん、じゃあね」
久留美は小さく手を振ってから帰っていく
久留美の後ろ姿
あまりにどうでもいい風景
それでも久留美と一緒に帰ったり
するのはただ単に久留美が側に来るからだ
僕は一言も一緒に帰ろうと言った事はない。
その後、参考書を買いに書店に立ち寄る
人気のマンガが祝アニメ化ってその本が
特設台に買ってくださいと言わんばかりに並べられている
興味がない、それより参考書だ。
足早に参考書コーナーに向かう
「えーと、これかなぁ」
僕の居る棚の向こうから桜井さんの声がする
僕は半ばはやる気持ちを抑えて
桜井さんの所に向かう。
「あの」
「、、ん?、、佐伯くんの弟の、、、侑樹くんかな?」
知ってくれてた!
けど、あの時の事は覚えてないんだな。
「はい!そうです、、、え、、と、、」
笑え、笑え、久留美の時みたいに
「どうしたの?」
「桜井さんは、、、参考書買いにですか?」
「そう、、、なんだけどー、、何がいいか分かんなくて迷ってて良いのないかな?」
「僕が使ってる参考書どうです?、、、、えーと、これです、結構要点が抑えられていて良いですよ」
桜井さんはパラパラと参考書に目を通す
「これ良いじゃん、買うねっ」
「良かったです」
桜井さんが笑うと僕の心に温かさがやってくる
一緒にいるだけで救われる気がする。
桜井さんは本当にお喋り好きで
久留美の時に感じる苦痛は全くなくて
あっという間に桜井さんの家まで着いた
僕の家の近所で家は豪邸だった
気付かなかったな。
「それじゃ、バイバイ侑樹くんっ」
「さよなら桜井さん」
桜井さんは笑顔で手を振って家に入っていく。
扉が開くと家の人の一瞬大きな声が聞こえた。
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