居場所〜榎本 楓〜
「榎本さんいいのかな俺が居ても」
佐伯君が遠慮しがちにしている。
今日は春流を尾行する日だ
佐伯君には春流との事は話してある。
学校帰り駅前で橋野さんと待ち合わせ
「まだかなー」
「誰か来るの?」
「うん、橋野さん」
「誰?」
「あっ来た!」
「おー、榎本さんお待たせー。その子は彼氏?」
「え、、と、違います、友達です。」
「よろしく橋野です。」
「佐伯です。よ、、よろしくお願いします。」
佐伯君オドオドし過ぎだよ。
「じゃ、榎本さん春流ちゃんがどこに行きそうか分かる?まずは、春流ちゃんを見つけないと」
どこだろ、SNSも全然更新してないし。
うーん、春流の事分かってるようで分からないな。
「そうだ、佐伯君連絡先交換しようよ。便利だし、グループで連絡取りあるようにさ」
私が考えてる所で
橋野さんが佐伯君に勧めている。
確かに。
「そうですね、交換しましょう!」
佐伯君が即答で返した。
そして、グループで連絡を取れる様に設定された。
「2人で良く立ち寄る所は?」
「遊ぶ所、、、公園、、、公園です。この近くの、そこのベンチで良く話ししてました。」
「よし行こう!」
公園に到着すると
春流がベンチに座って
スマホを触ってため息を吐いていた。
「春流っ」
「ダメだよ尾行の意味がなくなる」
橋野さんが私を諭す。
そうだ、春流がどんな交友関係かを知らないとダメなんだ。
「あのー橋野さん、もしも桜井さんがヤバイ関係の人に関わっていたらどうします?」
「連れ戻すよ。榎本さんの友達だしな。佐伯君もそうだろ?」
「そ、そ、そりゃ、そうですよ。榎本さんのためなら頑張ります!」
「いい心がけだな。」
「あっ、春流が動いた。」
春流は誰かと電話し公園を後にする。
その後を着いて行くと
ゲーセン、カフェ、商業施設、カラオケ。
どれも誰か一緒だったが、直ぐに別れて
また、別の人、そして、また、別の人。
辺りはすっかり暗くなって
金曜日の駅前には会社員の帰宅ラッシュで人でごった返していた。
それに春流をその人集りで見失ってしまった。
「今日はもうやめよう。」
橋野さんがそう言う。
これ以上子供が居ていい時間じゃないし
お母さんがさっきから心配のメッセージが届いていた。
それは佐伯君もそうだった。
「橋野さん、佐伯君今日はありがとう」
「春流ちゃん心配だけど、次だな」
「大、大丈夫だよ。次も付き合うからさ。」
私達は解散した。
帰り道
私は春流にメッセージを送った。
読んでくれるか分からないけど。
「連絡待ってるから。」
読んで頂きありがとうございます♪
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