瑞雨〜東山 瑞波〜
「佐伯部長すみません私のミスで」
「大丈夫ですよ。失敗は誰にでもありますから」
「、、、、はい、すみません」
私が発注の数をミスしたせいで
他の会社からのクレームの電話が鳴り止まない
部長と私はその会社に謝りに行き
なんとか収まり落ち着いた。
部長は休みだったのに
私なんかのせいで
、、、、本当に、、ごめんなさい
「東山さんそんなに落ち込まないでもう大丈夫ですから。あっそうだ東山さん何か飲みますか?」
「そんな申し訳ないです。私が買って来ます」
「気を使わないで下さい。コーヒーでいいかな。買って来ますね」
部長は足早に自販機へ向かう。
「はい、どうぞ。あっ雨強いですね車に戻りましょうか」
私達は社用車に戻った。
ワイパーの雨を切る音だけが聞こえる
車内
「部長今日は、、、」
泣きそうになって言葉が
「東山さんは仕事好きですか?」
「、、それは」
部長の唐突な質問に少し驚いた
私はただ惰性に仕事してるだけで
好きって思った事なかった
「多分、好きじゃないですよね」
見抜かれた
「、、、はい、すみません」
「僕もここだけの話し好きじゃないです。驚きました?」
少年の様に笑う
「えっ⁈、、あっ、はい、、まぁ」
「朝早かったりしたら休みたいって思うし、急に辞めたいなって思うし。僕も人間なんで思いますよ」
「意外でした。」
「そんなもんですよ。それに仕事でミスしたからって命までは取られないですし何かあっても僕や課長がしっかりフォローしますから東山さんのペースで仕事してくださいね。」
「ありがとうございます。部長」
「それじゃ東山さん駅まで送りますね」
「帰ってもいいんですか?」
「後は、課長と片付けますから東山さんは休んで下さい。」
「、、、すみません、ありがとうございます。お言葉に甘えます」
「それじゃ、行きますね」
部長は私を駅まで送ると
会社に戻っていった。
雨は小雨になり
泣き止みそうな空が
まるで
私の感情みたいで
心が軽くなっていくのが
息を吸う度に
わかった。
読んで頂きありがとうございます!
また、近日投稿します
よろしくお願いします!




