悪夢とビール〜橋野 康二〜
やめてくれ、、、、、やめてくれ、、、、
康っ!
おばさん?
もう、何も言わないでくれーーーーーー!
「、、、、はあ、はっ、、、、、は、」
夢か
見たくもない夢
スマホを開くと
店長と榎本さんのメッセージが入っていた。
メッセージが入った時間は17時24分
今の時刻は夜の23時過ぎ
もうこんな時間か
店長と榎本さんに
遅くなったが
『了解しました。ありがとうございます』と
だけ事務的なメッセージを送った。
榎本さんから直ぐに連絡が来て
『返信がなかったので少し心配しました。』
『ごめん。寝てて全く気付かなかった』
敬語はよした。
『え〜、心配して損しましたよ笑』
『明日学校だよねもう遅いしおやすみなさい
ありがとう^^』
『そうでした!おやすみなさい(-_-)zzz』
榎本さんのメッセージを見終えると
俺はグラスに水を注ぎ一気に飲み干す
そして、久しぶりにタバコを吸った
「げっ、ほっ、、、マズっ」
こんなにマズかったか?慌ててタバコを消し
雨が降り続いている外をなんとなく眺める。
「おばさん、、、」
俺は小学4年生の頃に両親を交通事故で亡くし
それから、父方の親戚に引き取られた
おばさんはとても厳しくというか疎ましく思っていて
おじさんは俺に全く興味がなく
むしろ、俺の事を嫌っていた。
20歳で家を出るまで
本当に辛かった。
何故こんなに嫌われなくちゃいけないなかったのか
おばさんはいつも口癖のように言っていた
、、、お前のお母さんは男遊びばかりして
バチが当たったんだよ。って
お母さんは夜遅くに家を出ていたが
それは父が当時体調が良くなくて仕事を休んでいたからで家計を助ける為に夜仕事に行っていた。
それを知ってか知らずか
おばさんは俺にそんな言葉を浴びせた。
とにかく早く大人になって早く出て行きたいって幼いながら思っていた。
おばさんが出てくる夢を見る度に
気持ちが落ち込んでいく。
「あーーあ、まぁ過去の事は忘れよ、忘れよ。それよりもビール、ビールと」
冷蔵庫からビールを取り出す。
プシュ
ゴク、ゴク
「はー、うまい、、、はあ」
読んで頂きありがとうございました!
また、投稿します!




