雨模様〜榎本 楓〜
先週から雨が断続的に降ってる
教室の窓際の席で
春流とおしゃべり
「楓、雨ヤバイよね。先週からずっとだよね」
「そうだね。天気予報じゃ、来週まで降るって」
「気持ちが落ちちゃうなー」
そう言うと春流は机に顔を伏せる。
私はなんと無しに窓の外に視線を向けると
一瞬。ピカッと空が光る
雷鳴が近くで轟音を出して落ちた。
「きゃーーーー!」
「きゃっ」
私と春流は驚いて悲鳴をあげた。
「怖いよ〜」
春流が私に抱きつく
「よしよし、大丈夫だから」
「ほんと?」
春流は少し涙目になっていた。
「うん、多分ね。そろそろ帰る?」
「こんなんじゃ帰れないよ〜」
春流は駄々をこねるような
口調で言う。
「仕方ないなぁ、もう少し居ようかな」
「うん!」
スマホにメッセージだ
【おはようございます。今日は雨が強く降るみたいなので店は臨時休業です。よろしくお願い致します】
店長からのメッセージ
私は、【おはようございます。了承しました。】と返信した。
事務的なメッセージはなんと淡白なんだろうか
「楓、どうかした?」
「バイトが今日休みになったんだ。」
「ていう事は〜今日楓を独り占め出来るよね?」
「独り占め?」
「いつも、いつもバイト、バイトだもん、構って欲しいっ」
そういえば最近、春流と遊んでなかったかな
「じゃなにする?」
「え〜とね〜」
春流は思案中だ
教室の扉が開く
先生だ
「お前達いつまで居るんだ帰りなさいっ」
怖い先生
全校生徒から怖がられてる
体育会系のゴツい男の先生。
「はいっ」
「はーい」
他の生徒はいつの間にか帰っていて
学校は先生方しかいなくなっていた。
「あの先生、ムカつくよねー?うるさいし」
春流は物怖じしない
雷には怖がるのになんというか、、、不思議だ。
「そうだね。けど、私達が帰らなかったのが悪いんだよ」
「そうかもだけど、雨なんだから仕方ないって思わないのかな、厳し過ぎるっ」
「まあね」
下駄箱で靴を履き替え
外の様子を見ると
雨は一層強くなっていた。
「強いねー。今日は残念だけどこのまま帰らないと風邪ひいちゃうね」
春流が残念そうにしている
「そうだね。次の休みにでも遊ぼうよ」
「うん、それじゃ駅まで一緒に帰ろ」
駅で春流と別れ
ホームとホームの間線路を濡らす
雨粒を見つめる。
スマホばかり触る人
視界に入る全てに
見えない雨が降っているように感じる。
遊びたかったな
読んで頂きありがとうございます^^
久しぶりに投稿できました。
また、投稿しますので
読んで頂けると幸いです!




