夜散歩〜桜井 春流
夜の繁華街
私は特に用はないが
暇つぶしに遊びに来る
そこら辺で出会った
くだらない上辺だけの友達
皆んな同じ空気感で同じような服装で髪型で
多分、細かい所は違いがあるのだろうが
まぁ、いいか。
内容のない話をずっと話してる
彼氏、彼女あーだ。親がどーたら。
私もとりあえずその場に合わして
笑って
何が楽しいんだろうか
そんな、自分がやけに情けなくなる。
けど、そんなグループでも
いなきゃ暇つぶしにならないし
心の隙間を埋める為にしてる事が
逆に心が穴ぼこになっていくのが分かる。
疲れたー、つまんないし帰ろ。
「あーー!いけない、明日用事があったんだーっ。ごめーん私帰らなきゃ」
「マジかよ、春流これからどこか行こかって話ししてたのにー。帰るの?」
うるさ。
「そうなのー。どうしても外せない用なのごめんね。じゃあねー」
「わかったー。じゃあね〜」
あんたらなんてどうでもいい
地元の駅に着く頃には
すっかり人気も無くなって
コツンコツンと私のヒールが
駅に微かに響く。
なんだか人気がないってだけで
不思議とこの世界に1人しかいないって
バカな気分にもなる。
けど、そんな気持ちも酔っ払いのサラリーマンが
嘔吐してる姿を見て
すぐに現実に戻される。
、、、、、ダッサ。
お腹減ったな
コンビニ、、、あっ、、楓のとこ、いるかなー、楓
コンビニに着いたけど
マジでー。閉店じゃん
店員が窓を拭いて
帰れアピール
もしかしたら入れるかな
私は店に向かって歩き出す。
「お客さん買い物でしょうか?大変申し訳ありませんが今日の営業は終了してまして
またのご来店をお待ちしております」
無理かー
もう、いいや。仕方ない諦めよ
「わかりました。また今度来ます」
その場を立ち去った
家に帰ろう
両親は仕事一徹の人で
父も母も
仕事がら出張が多く
家には誰もいない
確かに裕福なのかも知れない
それでも満たされる事のない心は
また、見つからない自分を探しに行く。
3階建ての一軒家
明かりはついてなくて
真っ暗だ
ガチャ
「はー」
玄関に入ると勝手に
ため息が出る。
、、、冷たい
家全体が冷たい
廊下も階段も何もかも
スマホにメッセージだ
〈今からカラオケ行こうよー〉
タク、、、、男だよね、、、誰だっけ?
顔も思い出せない程不特定多数の人と
連絡先を交換した。
そんな人のメッセージが来ると
気味が悪い
悪いのは私だって分かってる。
けど今回は、、、相手に悪いけど、、、既読スルーで
しかも今からカラオケとか疲れる。
リビングでくつろぐ午前0時
ホラー映画をアイスを舐めながら
鑑賞する。
元々ホラーに怖がった事もない
むしろ好き。
「お姉ちゃんがいたらなー」
あの優しい言葉を掛けてくれた
お姉ちゃんに会いたくなった。
会えるなんて無理か、、、
あんなに綺麗で優しいお姉ちゃんがいたら
私だってもう少しマシな性格だったのかな
そしたら、佐伯君とはどうなってたのだろうか
「お姉ちゃん、、、に、、甘えたい。」
膝を抱えて泣いた。
けど、この冷たい家には誰も声を掛けてはくれる人は居ない。
カーテンの隙間から優しく
差し込む月明かりだけが
ただ私を照らしていた。
読んで頂きありがとうございます!
僕にしたら文字数多いかな
また、投稿しますので
読んで頂けると幸いです♪




