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第11話:ギルド創設祝い

1話1話を少なめに!沢山投稿する方向性に転換してみることにしました!

「では、ハンターギルドの創設を祝して、乾杯!」


 取材から数日、忙しなかった日常に一旦の休止がやって来た。

 歓声と共にジョッキ同士がぶつかり合う音が聞こえ、来客はみな揃って心地よいぐらいの笑顔をしている。

 その歓声の殆どは男の物だが、幾つか女性のものも混ざっていた。

 ギルド創設の初期メンバーとして集まったのは約7パーティ。

 勇者率いる『光剣の御子(キッドオブホーリー)』、全員が魔法使いの異色パーティ『賢人衆(ウィズ)』、死霊術師とその助手2人のパーティである『歪んだ悪霊(マッド・フリークス)』。

 初期メンバー最大の人員を擁する9人パーティ『月名団ルーナ・オギュレーション』。

 他2パーティとそして、僕のパーティだ。


 勇者パーティから追放されたばかりだが、問題は無い。昔からの友人が組んでいるパーティに参入させてもらった。

 実は彼等と組んでいたことも有るのだが……僕がいる事で彼らの成長の阻害になると分かったので抜けた。

 話を聞いた彼らは驚いていたが、同時に凄く喜んでいる。なんだか複雑な気持ちだ。

 断られはしないだろうと思っていたが、思わぬ歓迎ぶりだった。


 ついでに是非リーダーになってくれと言われたので、一応僕がリーダーになって変わった。元リーダーが1番に勧めてきたのだから断れなかったのだ。


 彼等ももう一流の探索者になろうとしており、皆癖も強い。

 もっと彼らの成長を間近で見たかったなんて気持ちもあるが、彼らに関して僕は裏方でいいのだ。陰ながら支える事としよう。


 まぁ一人まだ確執の残っている奴が居るが……これに関しては僕の問題だし、何とかするしかないだろう。

 だけどまぁ、さほど難しい問題じゃないしな。


 とにかくこの『迷宮狩協会(ハンターギルド)』の創設メンバーには、探索者協会でも精鋭、他支部に行けばエースを張れるような猛者が多く集まった。

 その為の仕掛けは色々したが、まさか予想していた全員が入るとは思わなかったよね。探索者、チョロすぎである。


 しかし彼等に損をさせる気は全くない。

 僕達のギルドに入って頂いた皆々様には栄誉と成功を約束しよう。

 少なくともそう思って行動するのが彼らへの最低限の礼儀だろう。


 ま、引き込んだ方法は紳士的とは言い難いけどね。

 勇者パーティの名前と僕と彼らの因縁を利用したある種詐欺みたいなやり方だ。余り使いたくはなかったが、背に腹はかえられぬ。


「みんな思うところはあるだろうけど、とにかく今は未来の世界最大ギルドの創設メンバーとして、頑張っていこう!」


 再び歓声。

 探索者と言うのは戦闘以外では基本的に馬鹿だ。だからいくらでも因縁があろうと、周りが盛り上がってたらそんなもの忘れて盛り上がってしまう。

 好ましい性質だ。


「しっかし本当にギルドを作るとはな、新聞で見た時は驚いたぞ。しかももうギルドハウスが完成しているって所が驚きだ」

「ここ自体は数日前から完成してたんだけどね」

「しかしここの料理は上手いなステイラ!自動計算機も凄いし、何しろこの雰囲気だな!」

「センスいいだろ?実はここの土地に元々あったレストランの雰囲気そのままに作ってみたんだ。地下には訓練場もあるし、魔法結界や物理結界も張ってある。よっぽどの事でも壊れないよ」

「そりゃあいい!」


 1目見れば足が竦むような強面の男が入れ代わり立ち代わりに喋りかけて来る。

 この設備の良さによっぽど感動したんだろう。そりゃそうだと言いたいところだが、こればっかりは少しだけ誇れる部分なので気取ったりはしないのだ。

 探索者協会には最低限の従業員と膨大な数の以来があるだけで、彼等のように有名になったり個人に依頼が来るレベルならば探索者協会に所属している意味もあまりないのだ。


 しかし何故彼等がそこに所属しているのかと言えば、やはりギルドに所属することで得られる社会的な恩恵が大きいからだ。

 その点設備が整っている僕のギルドに所属するメリットは大手である探索者協会に居続けるよりメリットがある。


「資料室イイナァ、ここら辺の地図とかが載ってるじゃネェカ。ダンジョンの大まかな全体像トカ、産出物、難易度設定までされてるジャネェカ。あんなモノ作れるのはお前しか居ないゼ」

「まぁ、僕が作ったからね」


 設備の殆どは僕の自作だ。

 ワンマンとでも何でも言えばいい。このギルドが大きくなることが第一目標なのだから、暫くは僕の力でこのギルドを成長させればいい。

 使えるものは何でも使う。

 それが僕流の喧嘩の仕方だ。


 そう心に決めて僕はもう一度、オレンジジュースを喉の奥に流し込んだ。

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