5話:マテリアの力
式典当日。
野外での食事会でセレスは数少ない女性騎士として、この王国の第2王女の護衛に付いていた。
式典が行われた教会が後ろに佇んでおり、静謐な雰囲気を醸し出している。
「あら、セレス様。その剣の宝石……綺麗ですね。私、宝石は数多く見てきましたけど……そんな不思議な輝きを放つ宝石は初めて見ましたわ」
「――ふふふ。実は知り合いの宝石師に頼みましてね」
「なんて宝石かしら……気になりますわ」
「ええ、実はこれただ美しいだけではな――っ!!」
セレスは微かな風切り音に反応して抜刀。飛んできた矢を斬り落とすが、更に横から矢が飛来。周囲の警備兵にも矢が刺さり、悲鳴が上がる。
「ちっ!! 暗殺者だ!!」
矢を全て剣だけで払うのは無理と判断したセレスは王女を押し倒し、その小さな身体に覆い被さった。背に何本もの矢が刺さる感覚と痛みが走る。
矢が止んだと同時にセレスは立ち上がった。見れば、周囲の警備兵は受けた矢傷が黒く爛れており、もがき苦しんでいる。
「毒か!?」
だが、同じ矢を受けたはずの自分には全く効いていなかった。
「――死ね!!」
考える暇もなく、見慣れぬ男達がこちらへと向かってくる。
暗殺者達は盾と短剣を装備しており、セレスは思わず舌打ちをした。盾でこちらの攻撃を受けて、おそらく毒が塗られた短剣を刺す。ただそれだけを目的とした戦法は単純なだけに厄介だ。
だが、ここで引けば王女が危うい。
一番先頭の男が盾を前に突っ込んで来る。
「やるしかない!!」
セレスががむしゃらに剣を一閃。
「は?」
後ろにいた暗殺者達が呆けた声を出すのも無理はなかった。
「あれ?」
その一閃を放ったセレス本人も驚いているぐらいだ。
なぜなら、有り得ないほどの速度で放たれたセレスの斬撃は、盾どころかそれを持った先頭の男だけに留まらず後方にいた暗殺者も数人まとめて斬り伏せたからだ。
「馬鹿……な!」
暗殺者達があっけにとられている間にセレスはすぐに思考を切り替え、地面を蹴った。
「くっ!!」
そのあまりの脚力に地面が爆発し、一瞬で加速したセレスが残りの暗殺者達に接近。
「はあああ!!」
セレスが剣を、その勢いのまま払うと、斬撃がまるで衝撃波のように放たれ、残りの暗殺者を背後の教会ごと――真っ二つに切り裂いた。
「……凄い」
一部始終を見ていた第2王女は、命を狙われたのにも関わらず、思わずその光景に感動してしまっていた。
「空が――斬れてる」
そう第2王女が呟いたのも無理はなかった。彼女の前で、まるでセレスの剣閃をなぞるように――雲が割れていたからだ。
こうしてセレスの活躍によって暗殺は未遂に終わった。
のちに、セレスは【空斬り】という二つ名で呼ばれるようになり、王国騎士団で初の女性騎士長として【蒼の獅子】を率いる事になる。
そしてセレスはこの暗殺事件以降、常に蒼と赤の宝石を嵌めた剣を持ち歩いたという。
マテリアは、本人の潜在能力に依存します。セレスはかなり将来有望だったようですね。
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