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42話:霊樹のマテリア


「うめえなこれ!」

「こんな美味い飯初めてっす! あ、お茶おかわり貰っていいっすか!」


 自由になったトリフェンとトパゾが、むしゃむしゃとベルが持ってきた料理を食べていた。


「……そう睨まないでくださいエスメラルダ様」


 睨んでくるエスメラルダにアレクが苦笑する。どうやらエルフと獣人がいがみ合っているのは本当のようだ。


「聖地に踏み込んだ奴は万死に値するのだけど。更にそれが獣人なら一億死よ」

「であれば、僕らも死なないといけないことになりますよ」

「アレクは私の友達だから良いの!」

「彼らは既に僕の雇った傭兵――つまり仲間です」

「……はあ……分かったわよ! 勝手にしなさい」


 諦めたエスメラルダが短剣を鞘に納めた。


「なんだよ、【皆殺しのエスメラルダ】っていう物騒な二つ名を持ってるわりに、聞き分けが良いな」

「獣人の仇敵って聞いてたんすけど、丸くなったんすかね」


 暢気に、食後のお茶を飲んでいる2人の獣人をエスメラルダが睨む。


「アレクがいなかったら皆殺しにしてたわよ」

「はあ……そろそろ出発しようか。エスメラルダ様、案内を頼めますか?」

「分かってるわよ」


 こうしてトリフェンとトパゾという獣人の傭兵を仲間に入れたアレク達は霊樹へと向かったのだった。



☆☆☆



 そこは――あの巨大な塔の麓だった。


「あれが霊樹?」

「そうよ」


 塔の壁面の側に何やら祭壇のような物があった。だがどう見ても、樹という感じではない。


「マスター、あれは――コンソールです。【A(エンシャント)A(アーティファクト)】の1種と言えば分かるかと思います」

「つまり……遙か昔の遺構ってことかい?」

「そうです」

「見てなさい、もっと凄いわよ」


 エスメラルダがそう言って祭壇に近付くと、その祭壇が――変形しはじめた。


「何あれ凄い!」


 思わずサンドラが声を上げた。


「げえ、気持ち悪ぃ」

「怖いっす」


 トリフェン達が嫌そうな声を出す。


 祭壇はなぜか無数の正方形のブロック状に分解され、ひとりで変形、結合し、姿を変えた。


 それは細長く上へと伸びた形になり、先端から伸びた無数の枝が塔の壁面へと接続されていく。


「これが霊樹よ」


 確かに言われてみれば、人工的な樹に見えない事もない。


 エスメラルダが霊樹の幹に手を翳すと、幹の中央部が開いた。


「あれは――」

「――マテリア!」


 霊樹の中に、ベルの中に埋まっているマテリアよりもずっと大きなマテリアが埋まっていた。


 それは青い光を放っている球状の物で、表面には無数の回路が刻まれていた。


 しかし、アレクが近付いて見てみれば――それはヒビだらけであり、何よりかなり大きな亀裂が走っていた。


 いつ割れてもおかしくない状況だ。


「マナ枯渇症は、これが原因だと思うの。この霊樹の魔力珠――マテリアだっけ? が上手く機能していないせいよ」


 アレクは鑑定眼を使った。まずはマテリアの種類を調べようと思っての行動だったが……。


「これは――」

「なになに!? アレク教えて!」


 サンドラが急かすようにそう言うが、アレクは口を閉ざし、しばらくしてようやく口を開いたのだった。


「これは――【生態分解】のマテリアだ」

「何だよそれ……」


 トリフェンは訳が分からず、そう聞いてしまう。


「僕も見るのは初めてだし……伝説にしか出てこないから、実在するなんて思ってもみなかった」


 その名を聞いたサンドラが、再び口を閉ざしたアレクの代わりに説明する


「これはね……禁忌と呼ばれる――封印マテリアの1種よ。これ1つで……()()()()()


 サンドラの言葉が、重く響いた。


やばそうなマテリアの詳細は次話にて! トリフェン達はあっさり裏切りましたね。まあ小物臭いですが、悪いやつらではないです。金ですぐ裏切るけど。


更新もっと出来るだろ!? 続き書くマシーンになれよ! 応援するぜええ! 


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― 新着の感想 ―
[一言] >トリフェン達はあっさり裏切りましたね。まあ小物臭いですが、悪いやつらではないです。金ですぐ裏切るけど。 正しく現金な奴ら……すみません忘れてくださいw
[一言] 生態で合ってんのかなぁ? 生体だったりして? とちょっと思った。 うむ、ここは先走ったツッコミを入れるよりも次回を待つこととするぞよ。
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