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23話:トラップ&ファイト!


 水晶林東部――〝クリスタル小径〟


「っ!! 魔力に反応あり!」

「あたしも感じた! でも……なんか違うような」

「とにかく行ってみよう」


 3人が向かった先には――窪地があり、クリスタルが乱立していた。


「凄い! クリスタルばっかりだ!」

「あの中央の巨大なクリスタル……間違いない、ミスリルだ」

「あの量となると――当分困らなさそうですね」

「運が良いね、あたし達!」


 そう言って、サンドラとベルが先に進もうとするとので、アレクが手を挙げてそれを制止する。


「待って。おかしい」

「ふえ? 何が?」

「さっきの魔力反応だけど、あの一瞬だけだったろ? もしあれがあの巨大なクリスタルから発せられたとして、こんなに近くにいるのに、それを感じられないのがおかしい。確かにミスリル化したクリスタルの反応はあるけど……それを考えると……さっきの魔力反応は――()()()()()()()


 マテリアと向き合ってきたアレクだからこそ分かる、魔力の質の違い。


 明らかにさっきの魔力反応と、前にあるクリスタルから放たれる反応が違う。


 それが妙に引っかかるのだ。


「マスター。不自然なマナパターンを感知。何者かが我々が来る直前に、この窪地に降りている形跡あり」

「……やっぱりか。罠かもしれない、ここは止めてお――っ!! みんな伏せて!」


 アレクは言葉の途中で、何かが反対側から窪地に投げ込まれたのを見た。そしてそれが、発破用の爆破魔術が込められた筒だと分かった瞬間に、サンドラに被さるように地面へと伏せた。


「――!」


 ベルが同時に反応し、背中を窪地に向けアレクに覆い被さると――小規模な爆発が起こり、衝撃波と爆風が3人を襲った。


「――ガガガガガ!!」


 そして爆発と同時に、金属や石が擦れ合うような音が響く。


「ベル!」

「損傷軽微。問題ありませんマスター。それよりも――」

「げえ! あれってもしかして!」


 サンドラがアレクの肩に登ると、それが良く見えた。


 それは水晶によって造られた――ゴーレムだった。背中にはあの窪地の中央にあった巨大なクリスタルが剣山のように生えている。その顔らしき部分にある目のような発光部分がアレク達だけではなく、違う方向にも視線を注いでいた。


 次の瞬間、クリスタルゴーレムが手を向けた先に水晶の弾丸を放った。


 それは何かに命中し、肉を潰したような音を響かせた。


「ギガガガガ!! ハイジョ! スベテハイジョスル!!」

「あれは――クリスタルゴーレムだ」


 クリスタルゴーレム。それは古の魔術師によって造られたゴーレムが、気の遠くなるような時間、マナに晒される事で結晶化したものだ。


 討伐難易度は――Aランク。つまりA級冒険者のパーティでないと倒せないという事を意味する。


「完全に敵視されてるよアレク!」

「――戦闘モードへ移行。マスター、許可を」

「ベル、右手を差し出して」

「――?」


 ベルの右手をアレクは掴むと、ポーチの中からとあるマテリアを取り出し、ベルの手の中へと埋め込む。


「上手く使って!」

「――なるほど。了解」


 ベルが地面を蹴った。クリスタルゴーレムがその接近を察知し、水晶の刃へと変化させた両手を振るう。


 その斬閃が周囲のクリスタルをいとも簡単に切り裂いていく。まともに喰らえば、ベルでも真っ二つだろう。


「マナドライブ――完全起動。60秒で終わらせます」


 ベルの言葉と共に、彼女の目が赤い光を放つ。


 それを見ていたアレクだったが、背後から気配を感じた。


「アレク! 後ろ!」

「っ!」


 アレクは反射的に、腰に差していた母の形見の短剣を抜く。


「ちっ!」


 どこからか現れた禿頭の男の剣を、アレクが間一髪受け止め、たたらを踏んだ。


「やっぱり貴方ですか!」

「くそ、素直に罠に掛かればこんな手間もかからなかったのに! 俺らまであのゴーレムに見つかっちまった!」


 禿頭の男と黒髪の男の計画は、アレクに看破されたせいで崩れかけていた。そして短絡的に発破の魔術が籠もった筒を投げ込んだ結果――クリスタルゴーレムに敵視されてしまったのだ。


 結果、半端に顔を出していた黒髪の男はクリスタルゴーレムの攻撃で頭が吹っ飛んだ。


「発破筒なんて投げるからですよ!!」

「うるせえ!! こうなったら逃げ切る為にはお前らを生け贄にするしかねえ!」


 禿頭の男は焦っていた。彼は過去の経験で、ゴーレムのしつこさを良く知っていた。おそらく、眠りを妨げた怒りを収めないと、どこまでも、いつまでも追いかけてくるだろう。


 だからアレク達を殺し、生け贄に捧げようと思い付いたのだ。


 ゴーレムは独自の論理思考によって動いている。イチかバチかだが、アレクを殺し捧げれば、許してもらえるかもしれない。


「だから――死ね!!」

「っ!!」


 禿頭の男の剣撃を何とか短剣で受けきるものの、アレクはそもそも戦闘訓練を受けていない。


 やられるのは時間の問題だった。


「でも――やるしかない!!」


 こうしてベル対クリスタルゴーレム――そしてアレク対禿頭の男の戦闘が始まった。


ボス戦! ハg……じゃなかった禿頭の男はアホです。ほっとけば良かったにねえ……。

次話で、決着が付きますが――アレク君がマテリアの力で超絶パワーアップ! 無双!

という作品ではないという事だけ、改めてここに記しておこうと思います。


お陰様で、日間総合2位まで来ました! 応援感謝です!!

せっかくなので1位を目指して頑張りますので更なる応援よろしくお願いします!


応援するぜ! という方は是非ともブクマと評価をしていただければ幸いです。めっちゃ頑張ります!

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