プロローグ
ある日、僕は夢を見た。辺りを見渡すとそれは暗い森のなかにいた。
今まで部屋にいたはずが、知らないところにいた。いや、ここには何回も見たことがあった。なぜなら僕は最近この夢を見ることが多かった。何かの暗示なのか?
そう思ったその瞬間、爆発音が響く。森は瞬く間に炎に包まれて、ゴウゴウという音と共に空を真っ赤に染め上げた。
『助けて…助けて……』
誰かの声が聞こえた。聞こえた方に向くと、その声の主は、体が光に包まれてよく見えないが小さな子供だと分かった。
その子供は僕の手を掴み助けをもとめていた。
『私達を助けて…勇者様!私達の世界を救ってくれるのはあなたが必要なの!もしあなたが来れないのなら, この世界は壊れてしまう…
お願い!これを受け取って!これを持って、私たちのところに来て!!』
そういいその子は僕にあるものを渡し、光ごと消えていた。
―――目が覚めた時、妙に息が上がっていた。
外はまだ暗くて、時計を見ると4時だった。
寝汗がひどく、パジャマの背中は湿っていた。
あの夢はなんだったのだろう。まるで現実にいたような感覚をした。僕は布団に潜って目をつむった。
次の日、今日は学校が休みな為、僕は友達一緒に町に出掛けた。
「フルー!次あたしアニネイトで推しキャラ買いたいものがあるんだ」
そう僕の横にいる彼女は音無澪。中学2年生のの時に知りあい、わんぱくで運動好きな彼女です。僕はミオさんと一緒にカラオケを終えてこれからアニネイトに行くところでした。
「アハハ……ミオさんは相変わらずアニネイト好きですね。」
「当たり前でしょう。今日は『表島宝兜』のCDが発売されているから早めに買わないと間に合わないもん!それにひきかえフルはいつもコーニャンフォーで勉強本や難しい小説を買って、今その本を読んだりと…目疲れないの?」
「そうかな?僕はこの本面白いと思うけど…」
僕は昨日夢見た光景を忘れられなかった。あの滅んだ森の中、そしてあの子供の事何度も頭から離れられなかった。ボーッとしているとミオさんは僕の方を見てキョトンとした顔をしていた。