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プロローグ
《プロローグ》
蝉が鳴き交わし、太陽は休むことなく地を照らしている。
そんな夏真っ盛りな日。
少女は安らかに寝ていた。
時計の針はもう11時をさしている。
少女はゆっくりと目を開けた。
「またあの夢・・・」
少女はゆっくり体を起こす。
いつも同じ夢を見る。
だけど起きると夢の内容は忘れ、虚しい思いだけが残る。
内容は覚えていない。
だけど私にはわかるのだ。
またあの夢だと。
なぜかって?
それは私にもわからない。
ただとても大切な夢なのは確かだ。
なぜかって?
私の中の何かがそう言っているから。
この夢は私に何かを伝えようとしている気がする。
私はとても大切なことを忘れている気がする。
外から子供の声がした。
とても明るく、無邪気な声。
でもうちの近くに小さな子供がいる家などあっただろうか。
いや、別にどうでもいいことだ。
私の日常は変わることはないのだから。