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第二十八骨 保存骨

 

 女骨じょこつを襲っていた猿骨、最後の四匹を後ろから強襲する。

 完全に活動を停止していた俺は、まったく警戒されていなかった。

 二匹の頭蓋骨を叩き割った後に、ようやく気がついてこちらに振り向く。

 だが、その一匹は、後ろから骨ヌンチャクで頭を割られていた。

 動けない女骨が寝転んだままの姿勢で、猿骨に攻撃したのだ。


 最後に残った猿骨がカカッ、と歯を鳴らした。

 もはや、死を覚悟しているのだろう。

 ただ真っ直ぐに俺に向かって飛んでくる。


 背骨ムチを上から思い切り、振り下ろす。

 先端の牛角骨が猿骨の頭蓋に突き刺さり、そのまま猿骨は引き裂かれた。


 長かった猿骨との戦いが、ようやく終わりを告げた。



 穴の中に散らばっていた猿骨の残骸がようやく砂になっていく。

 最初の方に倒した猿骨も、今倒したばかりの猿骨もほぼ同時に、だ。

 どうやら、複数の敵は、全部倒してからでないと砂にはならないようだ。

 ゴリラ骨は、やはり猿骨とは別の敵だったということか。

 一番最後に落とされたゴリラ骨。

 あれがなければ、俺達は猿骨に勝つことはなかっただろう。

 ゴリラ骨は、トドメとして落としたんじゃない。

 むしろ、俺達を助けるために落としたような、そんな意思を感じていた。


 ふわっ、と猿骨の砂が宙に浮く。

 いつものように俺と女骨のまわりを螺旋状に囲み出す。

 俺のほうがその砂の量が三倍くらい多い。

 どうやら倒した数が影響されているようだった。


(すでにゴリラ骨で、回復と強化がされている。今はさらなる強化もそれほど必要ない)


 あまり、骨を強化してしまうと、むくろの王との戦いが早くなるかもしれない。

 以前、試そうとしていたことを実行してみよう。


 昨晩のうちに、穴に転がっていた頭蓋骨の頭頂部を二つ合わせて、丸い骨入れ物を作っておいた。

 ボールのようなその骨入れ物は、真ん中でパカッと開いて、また閉じることができる。


 それを両手で構えて、向かってくる砂骨を受け止めた。


(もし、うまくいけば、いつでも回復、強化ができる)


 砂骨は、骨入れ物の中に入ると、動きを止めて、サラサラと中に貯まっていく。

 すべての骨砂が中に入ったのを確認して、蓋をしめる。

 拍子抜けするぐらいアッサリと砂骨の保存に成功した。


(これは、大きな成果だ。うまく砂骨を貯めていけば、本当に骸の王を越えることが出来るかもしれない)


 最も、強化をしないことで、次の戦いに勝つ確率は低くなっている。

 薄氷の上を歩くような、そんな状況は変わっていない。


 女骨を見ると、骨が全回復した上に、強化も施されたようだ。

 ゴリラ骨で強化される前の俺の強度くらいにはなっている。

 猿骨との戦いは、本当にギリギリだったが、それだけ得られたものは大きい。


 そして、さらに、穴には、猿骨とゴリラ骨の追加骨が転がっている。


 それは今までにない、変わったタイプの追加骨だった。



【骨骨メモ】


 日付 5日目

 骨強化 3回

 追加骨 仙骨せんこつ1 牛角骨うしつのぼね1 腰椎ようつい5 胸椎きょうつい12

 総合骨数 235骨

 武器 背骨ムチ

 保存砂骨 500グラム

 現在の骨強度 ひのきの棒レベル

 負傷箇所 

 全回復



 仲骨 女骨じょこつ


 日付 3日目

 骨強化 2回

 追加骨 仙骨せんこつ

 総合骨数 207骨

 武器 骨ヌンチャク 

 現在の骨強度 脆弱せいじゃくと貧弱の間

 負傷箇所 

 全回復


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― 新着の感想 ―
[一言] 人ではなくなってしまった人たちの精神では日常生活おくってるだけなのかなあ・・・こわっ
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