第二十四骨 三つ骨巴
ゴリラ骨の肋骨を抜いた猿骨が、それを地面に投げ捨て、再びゴリラ骨に向かっていく。
俺達が猿骨に襲われた時は、噛みつかれただけで骨を抜かれることはなかった。
学習したのか?
だとしたら、次に襲われたら、俺達も骨を抜かれてしまう。
骨が硬くダメージを与えれないゴリラ骨が有利だと思ったが、骨を抜かれてば、強度は関係ない。
それは俺が武骨と戦った時に実証している。
猿骨に襲われていた時に落としていた背骨ムチを拾って、猿骨に襲われているゴリラ骨に近づいていく。
参戦したら、俺も猿骨に襲われるかもしれない。
しかし、このままいけば、多くの数を残して猿骨がゴリラ骨に勝ってしまう。
ほとんど動けない女骨のほうを見る。
俺と同じ考えなのか、片腕と片足でなんとか立ち上がろうとしていた。
女骨に向けて、首を横に振り、それを制する。
今、女骨が襲われても俺は助けにいけない。
もう戦いには参戦せず、見ていてほしかった。
その思いが伝わったのか、女骨は頷いて、その場に座る。
(最悪、俺がやられても、女骨が生き延びるために、少しでも数を減らすっ)
猿骨に襲われているゴリラ骨の骨の数が、どんどんと減っていく。
肋骨はもう半分ほど、抜かれていた。
二度とあの勇猛なドラミングを見ることはできないだろう。
ブンブンと拳骨を振り回し、猿骨を破壊していくが、それ以上に攻撃を受けている。
カカッ、と上機嫌でゴリラ骨の骨を抜いた猿骨の背後に、俺はゆっくりと近づいた。
(ここからは、もうどうなるかわからないな)
後に迫った俺に気がついた猿骨が、振り向いた瞬間に、その頭蓋骨を背骨ムチで貫いた。
カカッ、カッ、カカッ! と、他の猿骨が騒ぎだす。
(やはり、一匹に攻撃をすれば、一斉に襲いかかってくるのかっ!)
ゴリラ骨が現れてから、俺のことを完全に無視していた猿骨共が再び俺を囲んできた。
(一匹でも多く、片付けてやるっ!)
襲いかかる猿骨に背骨ムチを振りまくる。
その右手骨が背骨ムチごとなくなっていた。
背後から来た猿骨に、肩甲骨から上腕骨を抜かれて、奪われたのだ。
(うわぁあああああああああっ!!)
それでも諦めず、残った手足を振り回して抵抗する。
だが、最初と同じように全身を猿骨が覆い尽くす。
今度こそ、終わると思った時だった。
俺に向かって、ゴリラ骨の巨大な拳骨が襲いかかる。
バンッ、という衝撃音と共に、俺は壁まで吹っ飛ばされた。
弾けるように、俺の身体にまとわりついた猿骨がひっぺがされる。
(助けたんじゃないっ、ゴリラ骨は俺ごと粉々にしようとしたんだっ)
殴られた頭蓋骨に大きなヒビが入っている。
もう一度喰らえば、致命傷になるかもしれない。
猿骨、ゴリラ骨、人骨。
戦いは三つ巴へと発展した。
【骨骨メモ】
日付 5日目
骨強化 2回
追加骨 仙骨1 牛角骨1 腰椎5 胸椎12
総合骨数 235骨
武器 背骨ムチ(紛失)
現在の骨強度 脆弱と貧弱の間
負傷箇所
右脚大腿骨 亀裂骨折
右上腕骨 剥離
頭蓋骨 亀裂骨折 大
他多数亀裂骨折
仲骨 女骨
日付 3日目
骨強化 1回
追加骨 仙骨1
総合骨数 207骨
武器 骨ヌンチャク
現在の骨強度 貧弱貧弱
負傷箇所
背骨胸椎 亀裂骨折
左手上腕骨 開放骨折
右脚大腿骨 開放骨折
他多数亀裂骨折




