第二十二骨 猿骨
絶望的だった。
今度こそどうにもならないのではないか。
大量の猿骨に埋もれていき、まともに動けなくなっていく。
そして、ついに、頭蓋を砕く処理が、追いつかなくなる。
カカッ、と歯を鳴らしながら、猿骨供が動き出す。
さっきみたいにすぐに襲ってこず、俺と女骨の周りを回りだした。
ガチャガチャと崩れた猿骨を踏みながら、だ。
(まずい。まずい。まずいっ)
一匹ずつ襲ってくるなら、なんとかなったかもしれない。
だが、一斉に襲って来たら、対処できない。
コン、と背骨に何かが当たる。
女骨の背骨だった。
俺達は、いつのまにか、穴の中心に背中合わせで、追い詰められる。
覚悟を決めなくてはならない。
このまま無傷で倒すことはもう不可能だ。
(生き残れる可能性がゼロに近いっ)
前回の戦いのように、覚醒しても無理だろう。
俺は人間の骨しか、詳しくない。
動きを予測することも、弱点を知ることも不可能だ。
カカッ、カッ、カカッ、カッ、カカカカッ!!
猿骨共が鳴らす歯の音がどんどんと激しくなっていく。
(来るっ!)
と思った瞬間だった。
ぶわっ、と全ての猿骨が一気に俺達に飛びかかる。
(うわぁああああっ!!)
ガムシャラに背骨ムチを振りまくった。
女骨も骨ヌンチャクを振り回す。
数匹は骨が砕けて吹っ飛ぶが、ほとんど意味がない。
あっという間に、猿骨の大群に飲み込まれる。
ガッ、ガッ、ガッと猿骨が身体中に噛み付いてくる。
致命傷となる頭蓋骨を両手骨でガードするが、そこにも何匹もの猿骨がしがみつき、カジガジと噛んできた。
(ダメだっ、終わるっ! どうしようもないっ!!)
隣にいた女骨にも同じように、猿骨共がしがみつき、その姿が見えなくなる。
助けようと伸ばした右腕に、猿骨が飛び乗り、カカッ、と笑う。
今度こそ、本当にどうしようもなかった。
あきらめて、目を閉じることすらできない。
眼窩に大量の猿骨を焼き付けながら、ゆっくりと骨が砕かれていく。
その時。
ガシャッ、と大きな音が聞こえてきた。
上からさらに骨が落とされたのか。
すでに終わっているのに、まだ落とすのか。
これ以上は、なにが起ころうが、関係ないと思っていた。
ゴン、ゴン、ゴン、ゴンッ、と、骨を強く叩く音が聞こえてきた。
今、落ちてきた骨なのか?
猿骨で埋もれながらも、その方向を見てしまう。
そこには、ニメール近くある、巨大な骨が立ち、自分の肋骨を強く叩いている。
(猿骨? いやちがう、あれはドラミングっ! ゴ、ゴリラ骨かっ!?)
身体中に噛み付いていた、猿骨の攻撃が止まっていた。
突如現れた巨大な乱入者を警戒している。
ゴリラ骨の参戦。
それは最大のピンチであり、最大のチャンスとなった。
【骨骨メモ】
日付 5日目
骨強化 2回
追加骨 仙骨1 牛角骨1 腰椎5 胸椎12
総合骨数 235骨
武器 背骨ムチ
現在の骨強度 脆弱と貧弱の間
負傷箇所
右脚大腿骨 亀裂骨折
他多数亀裂骨折
仲骨 女骨
日付 3日目
骨強化 1回
追加骨 仙骨1
総合骨数 207骨
武器 骨ヌンチャク
現在の骨強度 貧弱貧弱
負傷箇所
背骨胸椎 亀裂骨折
他多数亀裂骨折




