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第十九骨 骨改造

 

 夢から覚めた時には夜が明けていた。

 天井から太陽の光が降り注いでいる。

 やはり、夢で見ていた光景とはすべてが違って見える。

 あの時見えた透明な関節球は、目を凝らしても見ることができない。


(あれはただの夢だったのか)


 試しに、自分の骨と骨の間を触ってみる。


(……ある。見えないが確かにそこにある)


 そこには確かに丸く小さな手触りがあった。

 あれは、ただの夢ではなく、確かに現実にあったことなのだ。


 少し離れた所にいる女骨じょこつを見ると、まだ眠っていた。

 背骨のヒビは、またほんの少しだけ回復している。


(やはり、砂骨で回復しないと完全には治らないな)


 今夜の戦いで、なるべくダメージを負わず、敵を倒さないとならない。


(夢で俺がやっていた骨の取り外し。あれが素早くできるなら、かなり有利になるのではないか?)


 覚醒した状態には、自分の意志でなることはできない。

 なら、普段の状態でも、骨を外せるようになるのが、強くなる近道に思えた。


(とりあえず、これを外してみるか)


 腰骨の前に伸びた背骨を触ってみる。

 それは、元からあった背骨ではなく、敵を倒した後に追加骨と獲得した背骨だ。


 5個の腰椎ようついと12 個の胸椎きょうついで構成された背骨は、腰に追加した仙骨せんこつから、喉骨の近くまで伸びている。


 このままでは、まったく役に立たない無駄骨だが、取り外すが可能なら話は別だ。

 上手く使えば、リーチの長い武器になるかもしれない。


 仙骨と背骨の間にある関節球を触り、取り出そうとする。

 だが、クルクルと回転して、すぐには外れない。

 夢の中では、簡単に外しているように見えたが、コツがあるようだ。

 何度か試しているうちに、偶然、すぽんと関節球が外れ、仙骨と背骨をがようやく外れた。


(慣れるまでかなり時間がかかりそうだ。まだ、戦闘中にはできないな)


 自分の骨でこれだけ時間がかかるなら、相手の骨を外すなんて、まだ当分できないだろう。


(まずはこれからだな)


 外した背骨を見ると、17個の骨と骨の間にすべて関節球が埋め込まれてある。

 多少振り回しても大丈夫そうなので、試してみると、ただの棒ではなく、骨がしなり、ムチのように使えることがわかった。


(なかなかいいな。しかし、強度は俺の骨と同じでそこまで強くない)


 相手の骨が相当弱くないと、逆に折れてしまう。

 何かいい使い方ができないかと考えてみると、右手の甲骨にある牛角骨が目に入る。


(これを背骨の先端につけたらどうだ?)


 また時間をかけて、牛角骨を右手骨から取り外す。

 背骨の一番上、第一胸椎の先端にそれを取り付けると、あやしい背骨ムチが完成した。


(いいな。付けたり外したり、自由自在だ)


 身体に付けた追加骨は二度と外せないと思っていたが、これで自由に自分の骨を改造できる。


 それは、これからの戦いを生き残るための大きな力になるような気がした。




【骨骨メモ】


 日付 4日目

 骨強化 2回

 追加骨 仙骨せんこつ1 牛角骨うしつのぼね1 腰椎ようつい5 胸椎きょうつい12

 総合骨数 235骨

 武器 骨ヌンチャク 背骨ムチ

 現在の骨強度 脆弱せいじゃくと貧弱の間

 負傷箇所 右脚大腿骨(だいたいこつ) 亀裂骨折



 仲骨 女骨じょこつ


 日付 2日目

 骨強化 1回

 追加骨 仙骨せんこつ

 総合骨数 207骨

 現在の骨強度 貧弱貧弱

 負傷箇所 背骨胸椎(きょうつい) 亀裂骨折


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