表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

一般男子高校生は動じない。

今回ちょっと長いよ。


...いや、ちょっとじゃないかも。

魔術師のローブを装備した後、僕は次の行き先を考える。


といっても、もうあそこしか場所はないのだが。


僕は来た道を戻る。


祭壇の間から出て――


魔術大全のある部屋を隠していた、幻影の壁がある通路を抜け――


一心不乱に逃げ回った、無限に湧き続ける石像兵士のエリアを突破して――


罠エリアを掻い潜り、通路に出て――


通路を分岐路まで戻ったら、右に進んでいき――


数日間かけて、ようやく二体の石像の部屋門番?ボス?の部屋に辿り着くことができた。



(前は負ける気しかしなかったが、今なら勝てそうだ。)


前回よりも能力値やスキルが上がったので十分に戦えるだろう。


それに、今は魔術がある。


強力な武器を持っているだけで、こんなに安心感が違うとは思わなかった。


まともに使える防具は魔術師のローブしかないけどね。


因みに、石像兵士を倒すと、そこから魂のようなものが魔術師のローブに入っていくようになった。


多分、吸魂の効果だろうか?


しかし、鑑定してもローブに変化は何もなく、吸魂の効果は未だにナゾのままだ。


このままでは考察に入ってしまいそうなので、さっさとボスと戦ってしまおう。


部屋の中央まで進むと、背後の入ってきた道が半透明なベールで塞がれる。結界だろう。


すぐに気づけた理由は単純で、ボス戦でありがちなパターンなので警戒していたからだ。


ん?警戒してたのに罠にハマってるって?


うるさい。こういうパターンは回避不可能なのだ。


パーティなら、仲間に中央に行かせて自分は部屋の外で待つことができたって?


うるさい!独りで悪かったなッ!


いや、そもそも不思議な力が働いてパーティ全員が入らないとボス戦が始まらない可能性だってある。不思議な力、万歳!


それに、気づかないまま戦闘を行うとかなり危険なので、警戒した意味はちゃんとある!


ただ、不可能を可能にできない僕は、きっと主人公にはなれないのだろうが。


そんなことを考えている間に、ニ体の門番はハルバードを構えて、僕を両側から挟むように回りこもうとしてくる。


門番は、2mくらいだが、重鎧を着ている所為なのかガタイが良く、対面したときの圧迫感が凄い。まるで2メートルのゴリラが武器を持っているみたいだ。


うん。今の例えは自分でもヒドいと思う。


僕は完全に挟まれないようにバックステップで下がりながら、右のゴリ...門番に寄っていく。


僕の木刀よりも門番のハルバードの方が長いのは当然だ、斧槍だからね。身長?それもあるけど言う必要なくない!?


まあ、なので僕が間合いに入る前に、向こうの薙ぎ払いがやってきた。


この巨体から振られるハルバードの速度は予想よりもずっと早いが、装備のSPD+2によって、僕の動体視力や脳の処理速度、体を動かす限界速度は約1.5倍にまで上がっているため、余裕で躱すことができる。


前傾姿勢になって体を低く保ちながらゴリラに近づく。


ハルバードが頭の上ギリギリを通過して、もう一度ゴリラが攻撃を加えようと得物を振り上げようとするが、既に奴と僕の距離は、一歩踏み込めば木刀が当たる距離、つまり、一足一刀の間合いだ。


僕は相手に鑑定をかけながら、地面を蹴る。



アギョウ『ガーディアン』《ボス》

種族:

 ロックゴーレムLvMAX

 ゴブリンLvMAX

 ゴブリンファイターLvMAX

 ゴブリンナイトLv8


HP:1660/1660

MP:????/????

ST:485/500


STR:30〜40

VIT:50〜60

DEX:20〜30

INT:1〜10

MEN:20〜30

SPD:6


武術:

 戦闘術LvMAX、剣術Lv2、槍術Lv6、斧術Lv4


スキル:

 両手持ちLvMAX、治癒LvMAX、肉体LvMAX、歩行LvMAX、重装備LvMAX、軽装備Lv3




あれ?結構ヤバくない?SPD無かったら死んでたよこれ!


因みに『鑑定』はレベルが上がると武術やスキルとかがある程度分かるようになった。


そして『強弱看破』は今まで大体の強さが分かるスキルだったが『鑑定』と組合わさることにより、HPやST、能力値などが分かるようになった。(魔物のMPは多すぎて文字化けしてしまう)


因みに、能力値は数値が大体分かるようになり、強弱看破のレベルが上がるほど範囲が狭くなり、より正確な数値が分かるようになるみたいだった。


(新しい要素多すぎてついて行けないよ!)


戦闘中に、新要素を発見とか要らないんだが、考察したくなっちゃうじゃないか。


考察したい気持ちを抑えて、木刀を横に持って振り払う。


度重なる戦闘で学んだ重心移動により、前進した勢いは横回転、つまり振り払う力に変えられ、渾身の一撃は、ゴリラの左の太ももに直撃した。


「ッ!」


確かに今の一撃は完璧だった。そして、直撃した。


しかし、相手が悪かった。


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:1648/1660


敵はVITが異常に高い。僕のSTRでは、とても効果的なダメージを与えることが出来ないのだ。


てか、HP高すぎだろ!ボス戦だから!?


ゲームではボス戦を白熱した戦いにするために、HPを高くして時間をかけさせる方法がある。


魔王で、HPが勇者の10倍あるのに、他のステータスは勇者と同じくらいだったり、寧ろ弱かったりとかザラにある。


それが今、現実として降りかかってきたのだ。


いや、流石に面倒くさ過ぎるだろ!


避け続けるのは問題ないとは思うけど、あと127回も攻撃を当てなきゃいけないとか地獄だし、そもそもスタミナが保たない。


それに、こんな近接した状況で術式を組む時間などないので、魔術は使えない。


後ろからは、もう一体が近づいて来てるし。


ゴリラに攻撃を当てて、このままだと詰むことを理解した僕は、木刀を振りきった流れを活かして、左に走り抜けた。


せきぞ...ゴリラ達の攻撃が後ろから迫ってくるが、体を捻ったり、体を低くして回避する。


これで『スタミナジリ貧END』は避けることができた。


遠くまで逃げて、術式構成を開始した。


奴らは、武器を振る速度や連撃速度は速いが、移動速度が遅い。


おそらく、ロックゴーレムの種族特性みたいなものなのだろう。


まあ、それでも一般人よりも少し遅いくらいだから十分早いし、攻撃時の踏み込みは滅茶苦茶速い。


というか、ロックゴーレムでゴブリンな上に、ゴブリンファイター、ゴブリンナイトまで種族があるってどういうこと!?


なんか、職業と似ている気がする。


つまり、魔物にとって種族とは職業みたいなものなの?


進化みたいな感じか。そうなると結構エグいことになりそうだ。


だって、物理攻撃が効かなそうな霊体系アンデッドやスライムの特性を持ったオークキングみたいなバケモノが生まれる可能性があるのだ。


まあ、そんなモンスターがいるか分からないし、本当に不死のモンスターがいるのかも分からないけど。


よし。そろそろ術式構成が終わる。


そう、考察をしながら術式を組んでいたのだ。


『思考』によって、考え事をしながら術式を組めるくらいにはなった。


敵は、すぐ近くまで迫ってきている。


今回の敵は石像、つまり石だ。


石にこれといった弱点はない。衝撃を与えるしかダメージ方法がないだろう。


『ファイアー・ボール』を使ってもいいかもしれないが、今回はもっと単純な魔術を使うことにした。


術式は文字となり、文字は光の粒となって一箇所に集まる。


光の粒はやがて、光沢のある鈍色をした二つの弾へと姿を変えた。


そう、鉄の弾である。


生成する元素は、地球に存在する量によって変化するらしく、炭素は存在量が少ないため、魔力消費が意外と激しいのだ。


その点、鉄は2番目に多いので消費魔力が少ない。


まあ、鉄だから重いので、飛ばすための力で魔力消費が大きくなるけど、ファイアー・ボールも熱エネルギーを球状に圧縮するために力をかなり使うので、鉄を飛ばす方が結果的には魔力を抑えられる。


「アイアン・バレット!」


名付けと同時に魔術を発動する。


弾を二つしか用意しなったのは単純で、繰り返しルーツなどを組み合わせている暇がなかったし、繰り返し処理だと並列ではないので、弾が一つずつ順番に生成されるため、その間に近づかれてしまう可能性がある。


だから、二体の石像に与えられる限界がこれなのである。


単純に大きな弾を作るのもアリだが、鉄の原子を繰り返し文で鉄の弾になるまで繋ぎ合わせる時間が多くなるので難しいだろうし、複数の方向に飛ばせる方が扱いやすいと思うので、今後も大きい弾は作らないだろう。


そんなわけで、生成された二つの弾丸は、真っ直ぐ飛んでいき、二体石像の頭に直撃して、粉砕した。


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:1055/1660


ウンギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:1067/1660


よし、石像兵士達と同じで、頭にコアがあったようで、それを破壊したことにより、大ダメージを与えることができた。


しかも、コア破壊により、ボスは倒れて動かなくなっている。


畳み掛けるならば今だろう。


よくボス戦とかで「やったか!?」とか、相手が復活や変身をするまで何もしないで待っているのを見かけるが、僕はそんなマヌケなことはしない。少なくとも戦闘では。


なので、相手が動けなくても容赦なく攻撃するし、死んだかどうか分からないならば、遠慮なく追撃をかけるし、体が消滅するまで攻撃するだろう。死体蹴りで結構、それで命が助かるなら安いものだ。


よって、もう一度『アイアン・バレット』の術式を組みながら、倒れている門番たちを通り過ぎて、更に距離を取る。


近づかれていたし、後ろの壁が近かったからである。


そして、今度は時間がたっぷりあるので、今度はMPをギリギリまで使用して、限界まで弾を生成する。


アイアン・バレットは2発で40MPだったが、物質生成と射出する工程で15MP、その他諸々が10MPである。


生成と射出は弾数に比例し、その他の方は弾数関係なく固定なので、残りMP190から固定の10を引き、一発ごとのMP15で割ると、12発打てる計算だ。


そして時間が余裕なので、弾を無駄にしないために、一斉発射ではなく単発射撃で、一発ずつ相手のHPを確認しながら、HPの少ないアギョウに撃っていく。但し、なるべく急ぎ足で。


...一発目。


ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:962/1660


なるほど、12.7m弾をこの速度で発射すると93ダメージらしい。なら、コアダメージは500か。



ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:869/1660


ダメージのバラツキも無いようだ。ダメージがランダムなダイス式ではないようだ。



ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:776/1660


うーむ。計算だと12発全部撃ち込んでようやく、一体倒せるってことになるな。



ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:683/1660


そろそろ起き上がって来るだろうし、残り全部一斉発射してしまうか?



ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:590/1660


ゴーレムが、僅かに動いたような気がする。


だが、一斉発射は危険だ。もし外れたり、部位破壊的なシステムで、既に破壊した部位に当ててもダメージは通らないとなったら、弾が無駄になる。


既に、頭や右腕、左腕は破壊できているため、この可能性は高いと思う。


特に、頭は一発で脆かったので、部位ごとに耐久値があるのだろうか?


それならば、ゴーレム以外の生物、例えば人間とかにも特有のシステムがありそうだし、「Lv1の人間に『アイアン・バレット』を腕に叩き込んで即死!」みたいな、どこのギャグ漫画だよってツッコミたくなるような展開は起きないと思われる。


まあ、どこに当てても一発で即死とかいうぶっ壊れ魔術が存在していいはずがないだろう。


実際は射出方向決めて発射するまで時間があるので、ゴーレムくらい遅くないと有効的ではないし。


ドンッ!


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:497/1660


ゴーレム達が動きだした。


――うん。色々考えたけど、結局は本体に当てられるギリギリの速度で連射するしかないのだ。



意識をゴーレムに弾を当てることだけに集中する。


狙撃ではないので、息を整える必要はない。


大事なのは心を無にして、脳の処理能力を全て射撃に費やせるようになった時だ。


ゴーレムを睨み、脳を戦闘用の道具、演算処理機械に変えていく。


(本体に撃つ、本体、撃つ、体、撃...!)


ドンッ!ドンッ!


心を奥深くまで沈めた僕は、無意識に『アイアン・バレット』を発射していた。


次第に、ゴーレムの体の耐久値が何となく掴めるようになり、連射速度が上がっていく。


ドッ!ドッ!


ゴーレムはもう既に瀕死状態のようで、歩くことさえままならない様子だ。


そう判断した僕は、起き上がってこちらに向かって来ているもう一体のゴーレムに向けて弾を撃ち始めた。


ドドッ!


撃ち終わると、深く沈んでいた心が戻ってきて、正常な思考を取り戻す。


ゴーレムを鑑定すると。


アギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:125/1660


ウンギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:881/1660


アギョウの方は移動はままならないだろうし、攻撃手段が殆ど無いに等しい。


ウンギョウは右腕を破壊されているため、ハルバードを使った攻撃は鈍くなるだろうし、武器を捨てても片手しかないなら避けやすい。


ウンギョウが近づいてくる。


僕は敵の方へ駆けた。


ウンギョウのハルバードによる、薙ぎ払いが迫ってくるが、片手では速度が落ちる上に、速度を落とすことで可能な軌道変化も、片手では使えないので、腰を落とすことで簡単に避けられる。


いや、そもそもコイツ等、そんな技使っていないか。あれは一種のフェイントだし、頭脳がないと効果的には使えないからな。


ウンギョウを通り過ぎて、アギョウの前まで来た。


僕は木刀を振り上げ、振り下ろした。


何度も。


――何度も、木刀を叩き込んだ。


「...ふぅ。」


木刀を12発叩き込んだ僕は、アギョウが死んだことを確認して息を吐く。


ウンギョウはすぐ側まで来ている。


「MPも無いし、このまま物理で殴るかな?」


スキルのレベ上げにはいいだろう。


うーん。面倒くさいな。


僕はウンギョウから更に距離を取り、精神を集中させる。


『瞑想』である。


瞑想は、精神集中状態になるとMPの回復速度が上がる。


本来は、味方の前衛に守ってもらいながら魔術を使って、安全圏で『瞑想』で回復しながら戦うのだろう。


「ぼっちざまぁ」とか言った奴、出て来なさい。


安心して? 絶対に怒らないから、ね?


――もちろん、殴る蹴る『アイアン・バレット』撃ち込むくらいはするけど。


「ぼっちドンマイ」とかもムカつく。


こっちは別に、慰めて欲しいわけじゃないんだよ!


まあ、美人の慰めなら受けてあげなくも、なくもなくもないけど?


いや、騙されるな僕!


僕は聖人であり武を極める者、世俗の人に惑わされるなど、あってはならん。


そう、一般男子高校生は動じない、常に明鏡止水の心を持つべきだ。


心を清らかに、集中...


魔力が回復していくのが感じられる。


大体1割回復したところで、一旦中止する。


ウンギョウが数メートル先まで迫って来ているからだ。


限界まで引きつけて、攻撃が来るのを待つ。


ウンギョウがハルバードを振り上げた。


今だ!


相変わらず片手の攻撃は緩いため、体を少し横にズラすことで簡単に避ける。


今度は、通り過ぎるときに木刀で攻撃を加えておいた。


再び距離を置いてMPを回復させる。


そういえば、むこうはHP回復しないのか?


ゴーレムだし、自動回復しそうだけど。


もちろん、治癒はリラックス時、つまり戦闘中には発動しないため、僕達人間が戦闘中に回復するには、後衛に下がらせて休ませるか、僧侶の奇跡で回復するしかない。


ゴーレムはどうなんだ?


やっぱり、コアが破壊されたので回復できないとか?


コイツ等からはゴーレムの強みが全く感じられない。


コアを最初に破壊したのが良かったのだろう。


石像兵士達は魔術で即死だったから、コアの意味については分からなかった。


ゴーレムはコアが全て。覚えておくか、テストに出るかもしれないし。


――テストと言えば、今頃、外はどうなっているんだろう?


家に引きこもっていれば安全だけど、食料が尽きるだろうし。


ネットは使えたので、協力して生き延びているのかな?


政府は生きているのだろうか?


生きていたら、「政府vs犯罪者」的な展開になっていそうだ。


まあ、犯罪者じゃなくても、ある程度自由に生きたい人は反政府になるだろうし。


そう思うと戻りたくなくなってきた。


あと、食料の奪い合いも起こっていそうだな。


政府が死んでいたら、生き残っている人達で団体を作って生きていそうだ。


人間は社会の中でしか生きられないだろうし、特に現代人は。ネットが死んでいないのもある。


もしかしたら、政府に変わる新たな司令塔組織が生まれている可能性もある。


どっちにしても、社会組織(保護する人、保護される人)vs反社会組織の構図は避けられなさそうだ。


外の状況を予想しながら、「MP回復→距離を取る」を繰り返していると、MPがついに全快した。


「てか僕のこと覚えてる人家族以外にいるのかな?」


再び部屋の端まで引きつけて、攻撃を避け、距離を取る。


『アイアン・バレット』の術式を構成した。


「てか、みんな僕のこと死んだと、絶対に思ってるよね!?」


ドドッ!


悲痛な叫びと同時に放たれた鉄の弾は二発である。


単純に距離を取るだけでは時間が足りないため、二発が限界だ。


ウンギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:683/1660


あと、八発で倒せるならギリギリ大丈夫だ。


二発撃つにはMP40だから八発でMP160だ。


現在MPは190だから余裕がある。


いや、念の為に脚を狙って動けなくするべきか。


再び距離を取って、今度は脚を狙って撃つ。



ドドッ!


ウンギョウ『ガーディアン』《ボス》

HP:497/1660


右脚が粉砕されて、ゴーレムは体制を崩す。


これなら、残り六発を一度の術式に込められる。


と、その瞬間ゴーレムは持っていたハルバードを逆手に持ち替え、それを肩の上まで持ち上げた。


――まさか、槍投げか!?


流石にこちらが何度も魔術を放っていると、これが危険だと理解する脳はあるようで、魔術を構成している間に投げて殺す、もしくは術式構成を中断させるつもりなのだろう。


うーん、いま術式を中断してしまうと3MPを無駄にしてしまう。勿体ない。


ゴーレムからハルバードが放たれる。


仕方なく、術式を中断して回避する。


豪速でハルバードが頭の上を通り過ぎていった。怖いよ、ママーッ!


クソッ、僕が主人公だったら術式中断をせずに、『アイアン・バレット』をハルバードに当てて軌道をズラし回避、そして弾は跳ね返って敵に当たる的な神業をするところなのに!


まあ、そもそも術式構成を始めた直後に放たれたので、僕の術式構成速度では間に合わないという現実があるんだけど。


気を取り直して、再び術式を構成する。


もう、奴の手には武器が無い。そして、奴の右脚は破壊した。


「つまり、僕の勝」


ゴーレムは左手を右肩に当てて、破壊する。


出来た石の塊を、僕に投げつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ただ、不可能を可能にできない僕は、きっと主人公にはなれないのだろうが。 たまによく見る主人公じゃない宣言。 毎度毎度ツッコミたくなる。 そんなこと言ってるけど、事実として、お前この作品の主…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ