だって男の子だもの。
僕の一日は午前3時から始まる。
朝風呂をゆっくり1時間とり、4時から登校するまでの7時までの時間を有意義に過ごす。
そして、今日はなんとなく朝の涼しい空気を浴びに行こうと思った。
マンションに住んでいる僕は、エレベーターで1階に降りてエントランスを通って出ようとして固まった。
「……!?」
突然の出来事に脳がフリーズした僕の目には、ゴミ袋を漁っているゴブリン達が写っていた。
アニメやラノベから知識を持っていた僕は見つかると不味いと思い、来た道を戻って曲がり角からエントランスのガラス越しに覗く。
すると周りを警戒していたゴブリンの顔がこちらに向いていた。
――マズイ!
そう思ったときには僕は駆け出していて、階段を上った僕は2階からエントランスの方に耳を澄ませた。
……ドクンッ…ドクンッ…
「………」
しかし、いくら待っても音も聞こえず、モンスターがやって来ないため、曲がり角に戻って覗いてみることにする。
そこには、先程と同じようにまだゴミを漁っているゴブリン達がいた。
(ふぅ。気のせいだったのか。人間よりも目が悪いのかもな)
このまま覗いていても仕方がないので、家に戻り時間を確認すると4時半だった。
まだ人が殆ど外に出ない時間だったため、大騒ぎになるまで時間があると思った僕は、もはやファンタジーの定番となりつつある言葉を唱えた。
「ステータス」
すると、お約束通りに半透明のウィンドウが出現した。
神童達也
種族:人間Lv1
Age:17
HP:100/100
MP:10/10
ST:100/100
STR:7
VIT:8
DEX:9
INT:1
MEN:1
SPD:5
スキル
精神苦痛耐性Lv1、隠密Lv1
ゲームっぽくて分かりやすい。
HPは命だろう。なくなると死ぬはずだ。
MPはゲームによるが、魔法を使うために必要な魔力みたいなものだろう。もちろん無くなると魔法は使えない。
STはおそらくスタミナだろう。攻撃や走ったりすると減る。
STRは筋力、パワーだ。
VITは打たれ強さ、高ければ刃物を肌で弾けるのかな?
DEXは器用さ、弓とか遠距離武器を当てるために必要?
INTは直訳は知能だが、人間の知力が1とか信じがたいので、おそらく魔法攻撃力のことだろう。
MENは直訳は精神だが、おそらく魔法防御力だ。
SPDはスピード、素早さだろう。
んー、人間は魔法が得意ではないのかな?
もしくは元々魔法のない世界の生物だから能力が低いのかな?
さて、ステータスも確認したことだし木刀持って下に行こう。
まだ起きている人が少ない時間で何をするべきか。僕が考えたことは単純だ。
それは、今のうちに強くなるということだ。
スタートダッシュだ。
MMOをよくやる人、でなくても今の時代ソシャゲをやる人ならわかることだろう。
人よりも一歩先に進んでいたいし、現犯罪者や変化した世界で自由に生きようとするやつらは大勢いるだろう。そんな奴らと敵対したときに強くなる必要がある。
強くなる理由をつけて正当化してみたが、僕はただ単に強くなりたいだけである。
だって男の子だもの、さらに思春期の男子高校生である。
「アイツ強すぎるぜ...」とか「なにあの人、カッコイイ!」って一度だけでも言われたいし、武器を使って戦って強くなるのは憧れる。
それに、今を逃すとしばらく戦えないかもしれない。外出禁止令や、親が起きて止めてきたら面倒だ。
もうすでにここは、秩序や法律が崩壊しかけた世界なのだ。
法律や秩序に従っていたら死ぬ、だから自由に生きるとしよう。




