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フラグが仕事しない僕は、やはり一般男子高校生のようだ。

隠された道から元の道へと戻り、奥のエリアに向かいながら、思考を巡らせる。


この数日、いや数カ月?いや、18歳になっているから、もう一年は経っているのか。


まあ、それだけ長い時間があった中で、僕はただ服作りとレベル上げだけを行っていたわけではない。


火傷の治療も並行して行っていたのだ。


魔力抵抗により、体内に直接魔術は行使できないため、体外からアプローチをかける必要があった。


因みに、物質を生成して、放置されてから時間が経つと魔力因子がなんちゃらで、魔力抵抗を受けにくくなるため、こういった時間を置いた間接的な攻撃や治療は可能なのだ。


まあ、地雷を作って置くにしても魔力である必要はないし、毒は大量に生成する必要がある上に、霧散や魔力効率が悪いなどの理由があり、攻撃に使うのは推奨されない。


また、自分の魔力で生成された物ほど抵抗を受けにくいとされていて、魔術書によると、これは体が無意識に抵抗を弱めているかららしいので、兵糧丸よりも不味いと思われれる、あの栄養玉を作ってすぐに食べても問題なく吸収できたのは、そういう事だったのだろう。


話がそれてしまったが、つまり自分の魔術ならば間接治療が行えて、薬などの物質生成だけならば、時間を置けば他人が作っても良いということである。


さて、火傷の間接治療的な治療と言えば何だろうか?


対して、医学知識の無い僕では、失った皮膚組織や血管、神経を作り、風の刃で接合場所を切って新しく作ったものと分子レベルで繋ぎ合わせるということしか分からない。


しかし、人体の構造や成分なんてものが僕に分かるわけがないし、そんな緻密で膨大な術式を組めるわけないし、そんな魔力量もない。


綿の布を作るのだって苦労したのだ。


具体的には、ローブを作った時間で綿を作るのが8割、糸の構造にするので1割、残りが布にしてローブの形にする時間だ。


分子や原子を作って終わりではないのだ、炭素だって結晶構造が変わるだけで、黒鉛やダイヤモンド、フラーレンに変化する。


それは布も同じであり、物質を作り繊維へ、そこから布にして服の形にする必要があるのだ。


つまり、構造を理解していないと、魔術で作ることは出来ないのである。


当然、僕は人間の構造なんて知らない。


ということで、薬を作ることにした。


まあ薬といっても、軟膏っぽいものを作っただけで、実際に効果があったかは分からない。


ただ、服や軟膏を作っていたおかげで、暇つぶしにはなり、軟膏塗って作業していたら、気づいたときには状態異常が消えていただけのことである。


因みに、状態異常が消えただけで、火傷の跡がまだある。


狼につけられた傷はゲームのように赤く光っていて、HPが回復したら消えたので、通常の傷は自然回復で完全に消えるのだろう。


しかし、今回は火傷という状態異常なので、消えないかもしれない。


ただ、治ったけど消えないのではなく、状態異常の火傷が、隠しステータスの火傷の跡に変化した可能性もある。


まあ、気にしても仕方がない。


もし火傷の跡が隠しステータスで、治せるのならば、僧侶になったから治せるだろう。


あ、そうそう。


因みに、僧侶になった後のステータスがこちら。


神童達也

種族:人間Lv18

職業:魔法使いLvMAX、僧侶Lv1

Age:18


HP:270/270

MP:230/230(180)

GP:0/1

ST:120/120


STR:15

VIT:18

DEX:17

INT:11(10)

MEN:8(8)

SPD:5


職業補正

MP+50

GP+1

INT10%UP

MEN5%UP

攻撃魔法補正(攻撃魔法の威力20%UP、操作性上昇)


武術

 STR

  戦闘術Lv6


奇跡

  治癒の奇跡Lv1


スキル

 STR

  両手持ちLv6

 VIT

  治癒Lv8、肉体Lv2

 DEX

  回避Lv8、罠解除Lv2

 INT

  魔力操作Lv8、術式構成Lv7

 MEN

  瞑想Lv7、魔力限界Lv2

 ETC(その他)

  見切りLv8、隠密Lv5、魔力感知Lv8、罠感知Lv2、強弱看破Lv9、鑑定Lv8、歩行LvMAX、疾走Lv8、思考Lv7、精神苦痛耐性Lv8、出血耐性Lv1、炎耐性Lv2、地図Lv3


GPと奇跡の項目が増えた。


GPは奇跡を使用する際に使うポイントだろう。


治癒の奇跡は、軽い傷を癒やすだけ、つまりHPが回復するだけなので後遺症は無理だった。


しかし、僧侶レベルを上げたりすればそのうち治せる気がする。


因みに信仰する対象を選ぶ必要があった。


しかし、選択肢から神様を選ぶわけではなく、何でもいいから自分の信じるものに祈りを捧げろと言われたので、僕は木刀に祈りを捧げた。


何故かって?


僕は信じれるものは自分だけだと思っているが、だからって俺が神だとかは痛すぎて無理だし、「信じられるのは僕だけだ。」を宗教でやるにはキツすぎる。


てなわけで、自分が頼っているのはやはり武器なので、今まで使ってきた木刀を選択したのである。


木刀に祈りを捧げると、オーラのような淡い光を放つようになり、気になったので、僕は木刀を鑑定してみた。



木刀(赤樫) 品質(一般)

耐久値:940/1000


基本性能:

  基礎ダメージ+50%

特殊効果:

  自動修復Lv1


解説:

ただの木刀だったが、御神体になり強化された。



解説それだけなの!?


まあ、とにかく木刀は御神体になったらしく、自動修復が新しく付いていた。


信者一人でこれならば、大規模になるとどうなるのか想像もつかない。神ってすごいな。



そんな事を考えて歩いていると、道の先に階段が下へ続いているのが見えてくる。


階段を降りると、そこはまさにダンジョン感満載の石壁に天井の空間だった。


壁掛け松明の薄暗い通路は、奥へと延びていて、その先の大きな扉まで続いているのが分かる。


「うわぁ、これってボス戦とか特殊イベントのフラグだよね。」


しかし、僕は右の道で見た、2体の石像がボスだと思っているので、迷わず進んでいく。


扉の前まで辿り着くと、僕はそっと扉を開けて中を覗き込んだ。


「祭壇?行き止まりっぽい?」


部屋を見渡す限り道はない。


奥の壁はアーチ状になっており、床は半ばから奥にかけて高くなっていて、そこにはドレスローブに冠をかぶった女性の巨大な石像が、長剣を突き立てて、まるで僕の方を見ているかのように顔をこちらへ向けて立っている。


そして、中央の階段を上がった先、つまり女性の石像の前に祭壇があり、階段の前には石碑が建てられていた。



「試練の層、僧侶の間...」


石碑の内容から考えると、最初に通った罠エリアは盗賊、次の石像エリアは戦士or魔法使いとなるだろう。


罠対策、戦闘能力、そして回復能力。


つまり、この試練の層は、ダンジョン探索で必要な能力が備わっているか判断するための場所なのかもしれない。


石像兵士の数的にも、本来は3人以上のパーティで来ること前提なのだろう。


当たり前だ、ゲームでダンジョンにソロで挑むのはゲームを知り尽くした奴かマゾゲー好きの奴だけだ。


まあ、リアルでもソロで挑んでしまった奴がここにいるんだけどね...


しかし、不可解な事もある。


右の道にいた二体の石像、あれが此処の出口を守っていることは分かるが、試練を受けさせる層で分岐路にする意味はないわけで。


そう、左の試練を進んで、最後の試練の間である、僧侶の間で何かしないとボスへの道が開かないとかなら、分岐にした意味がないのだ。


...まあ、深く考えるのはやめよう。


頭の良くない奴が頭使ったところで、根拠のない予想と謎の自信が生まれるだけだ。


まあ、どんだけ頭が良くて、確率の高い予測でも、ハズレるときはハズレるんだから、気にしても仕方ない。


絶対的な予測ができるようになるには、この世の全ての現象、宇宙全体の物質の位置、速度、方向など様々なものをデータとして取り込んで、そこから起こり得る未来を計算して求める必要があるのだ。


そんなことが出来るのは、インフレ化して、チート過ぎる能力で何でも解決してしまうご都合主義の主人公だけだ。


あそこの主人公達の主人公能力は、文字のみで数値が関係しないことが殆どなので、矛盾がとにかく多いのだ。


相手は絶対に死ぬ能力とかいう癖に、その世界には不死者がいるとかわけ分からん。


だって、不死とは永久に死なないことであり、その概念が世界に存在するならば、相手が絶対に死ぬ能力なんてものは存在しないはずなのだ。


逆に、相手は絶対に死ぬ能力があるならば、不死者というものは存在しないはずで、それに近い者がいたとしても、再生力がエグいとか、絶対にダメージを負わない防御能力ぐらいのものだろう。


まあ、幻想、ファンタジーなのだから、ぶっ飛んでる能力は許容できるが、文章として、設定として矛盾があるのは気になってしまうのだ。


レベルとか運命値?でどちらの能力が勝つか決まるとかならば理解できるけど、何も説明もなしに主人公の能力が勝つのはちょっとどうかと思う。


――まあ、面白ければどうでもいいんだけど。


こんなことを考えていても仕方ないので、僕は祭壇に向けて歩を進めた。


そして、跪いて祈りを捧げる。


勿論、木刀を祭壇において木刀に祈りを捧げる。


だって、これは試練なのだから、僧侶としての能力を確認できればいいだけ、つまり目の前の美女に祈りを捧げる必要はなく、僕の神様、木刀に祈りを捧げる方が正しいだろう。


(木刀様が折れませんように...)


仮にも信仰対象に祈る内容ではない気もするが、この木刀に祈って実益が出るとしたら、これぐらいしかないだろう。


祈りを捧げると、祭壇に変化があった。


祭壇は長方形の箱型で、側面の上端にある溝、つまり天板?から光が漏れているのだ。


「もしかして、開いちゃう系の祭壇だった?」


いや、そんな祭壇初めて見るどころか、祭壇自体初めて見るけど。


(てか、これ絶対に「レアアイテムGET!!」パターンでしょ!!!)


そんな期待に喉を鳴らしつつ、僕は祭壇に手をかけた。


「行くぞ...せーのっ!」


気持ちが高ぶった僕は、独りなのに掛け声を上げるという、客観的に見たら惨めに見える行いをしながら、蓋を横にずらした。


「ぐッ...うおおおお!」


蓋は思ったよりも重く苦労したが、増強されたステータスにより、なんとか蓋が動いていき、中身が見えてくる。


「こ、これは...!」


中に入っていたのは、黒いローブだった。


――おい、フラグ仕事しろよ!ここは期待させといてゴミアイテムとか、敵が出るとかガッカリさせるところだと思うんだけど!?

~スキルの解説(武術や魔法も)~

治癒の奇跡:

 GPを1消費してHPを回復させる。

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