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幕間:ある幽霊さんの決意



 私にとって、未曾有の障害が出現した。


 これまで堅固に築き、着実に成就への階段を登り始めていた私を、突如として阻む害悪。咄嗟の事で対応が遅れた――いや、単に慢心して見逃してしまった。

 つまり、数年来の油断が招いた屈辱。


 今回の失敗を無駄にせず、次からは異常事態(イレギュラー)を排除する。可能性の一切すら警戒して、近付く害獣(おんな)を牽制しなくてはならない。

 高校での工作は成功した。

 正直、心は痛んだけれども、それでも欲する物を手にするまでは、躊躇いなんて覚えない。結果的にソレが掌中にあれば良い。


 だからこそ排除する――叶桐夏蓮。

 必ず手に入れる――鍛埜雄志、いやユウちゃん。


 この二人を引き離す為の策なら既に講じた。


 今回の策としては、私も少し大胆に行動する。直接的な接触は避けていたが、これからすべき事は定まっているのだ。本人を前にしても本心を(おお)(かく)しながら対する事が出来るだろう。


 叶桐夏蓮――あの女は、男性に対しては一枚の壁を隔てて接していたはずだった。男女に拘らずに接する優しさはあるけれど、異性として意識される事を嫌う“癖”がある。

 どんな事情に起因するかは知らないが、恋愛とは無縁に近い場所にあった。

 それは、あの女を堕とす奇跡の男だって存在する。

 けれど……それがユウちゃんであって良いわけない!


 どうあっても退ける。


 私無しでは生きられぬ程に骨抜きにする為に行った六年間のお世話、周囲を退ける為に予防線を張ったりもした。

 これに加え、叶桐夏蓮を貶める。市長の一族、町始めの祖、英雄の血統であろうが関係ない。


 ユウちゃんは――ユウちゃんは、私のモノ!







アクセスして頂き、誠に有り難うございます。


次回から魔王本格始動。

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