表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧、明日の天気は。  作者: 揺り桜
幕引き、花は散る
1/68

星がきれいですね

桜が舞う。

淡いピンクの絨毯が風で舞い、視界を遮るカーテンのようだった。カーテンの向こうには互いを見つめ合う男女の姿がある。桜が舞い、柔らかく光が差し込むそこで、想いを重ねる二人はどこかの乙女ゲームかなにかのスチルのように美しく、遠い昔に私が観たものそっくりだった。


ただ、彼に選ばれた相手が違うこと以外は。


そんな乙女ゲーのような男女を偽りの言葉と笑顔で眺めていることができるようになってしまった私はきっと、彼の腕のなかでうす紅色に頬をそめ、恥ずかしそうに微笑む彼女とは正反対だろう。


多くの人に愛される天然タラシ。人の感情には敏感なのに好意や自分の気持ちには鈍感。どこまでテンプレなんだよと思わずツッコミを入れてしまいそうになる彼女(悪役令嬢)と、私の幼馴染であり乙女ゲームのメイン攻略対象の一人である彼らの、思いが通じ合った日。

ついでに私が恋を終わらせる日となった今日。


彼女にも、彼にも、気づかれることなく今日を迎えることができたことに私は安堵した。ここまで大変だったのだから、私だって休みたい。


さて、私というサポートがいなくなったあと彼らはどうなるのか。私には未来などわからないから可能性しか考えることが出来ないけれど、彼らと私が納得できる形であればいいと思う。


そのためにもまずは、この砂糖を吐き出せそうなやり取りをしている彼らをからかい、彼女から彼を借りなければならない。


終わらせよう。私のこれまでの物語を。

彼と彼女の恋物語を。

乙女ゲームの運命(シナリオ)を。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ