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風呂真神

 あれから数日。

 おれの傷は非日常由来のもののため、自己流の治療にはなったが、傷そのものも薄れて来たし、普通に動くぶんには痛みも消えて来た。

 一方、ロボは神になったわけだし、これからは鎮座ましまして落ち着くのだろう――

 そう考えていたのは甘かった。

 全裸でエロ本を読んでやがる女の人狼――さっきはそう言ったが、これも訂正しよう。

 全裸でエロ本を読んでやがる女の(オオ)(カミ)だ。

 真夜中に急に「エロ本を見せろ」と言って窓から上がり込んできたのだ。

 なんでそんなものと聞くと、「傾向と対策を知りたい」とか言う。しかも言いながらなぜか服を脱ぎ始めた。

 やめろ。ざしきわらしたちに悪影響だから!

 そして、オオカミの鼻から隠せるはずもなく、晴れておれの性癖がバレたのだった。

 よりによって神に。ちくしょう。

「わかった。ブルマだな」

 頼むから声に出さないで。死んだらいいの? ねえ? おれ死んだらいいの?

「神なら神らしくしろよ! だいたい神が一人の男をひいきしていいのかよ」

「なに、土着の神と人の間に子が生まれるなぞ、日本の昔話でも珍しくも無いだろう。天孫となると話は別だが、自分は神の眷属だからな。何の問題も無い」

 悪びれもせず言う。

「ホントかよ……」

 そうは言っても。コイツが、それまでの自分を捨ててでも、この土地に縛られてでも、おれを救ってくれたのは本当なんだ。

 人狼を捨てて……

 あれ? ちょっと待て。

「もう人狼じゃないんだよな?」

「無論だ。枝隈神社祭神眷属・風呂(ふろ)()(かみ)だからな」

「じゃあもう発情期とかないんじゃないの?」

「いや、性欲が全く消えていない。というか真神は神であっても狼である事に代わりは無い。あと元々私は性欲が強いのだと思う、かな」

「なんだよそのカミングアウトは……」

 でも、いい加減このままというわけにもいかない。

 すぅと一度呼吸する。

「……わかった。わかったよ。もうカッコつけるのはやめる」

「え?」

「お前は魅力的だ。とんでもなく。そしておれはエロい。正直、お前を抱きたいと思ってる」

 と、こっちが意を決して言ったというのに、ロボは顔を背けた。

 その顔は、真っ赤に染まっている。

「ううむ。……そう直球で言われると()えるな。いいか。自分はずっと前からこの発情期に悩まされていたんだ。いよいよそれが解決するんだぞ? もっとこうロマンチックにだな……」

「お前のこれまでの発言を録音しとくべきだった」

「まぁ、これからの努力に期待という事で、一旦は保留だな。いいか? 自分は今後油断するから、その隙をつくんだぞ? わかった、かな?」

「……」

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