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「う……あ……」

 声が出ない。足が震えているのが、自分でもわかる。

「そう怯えるなよ。なぁに、「まだ」殺そうってわけじゃない」

 男は、ワザと「まだ」を強調して言った。それ以外は、日本人が抱く欧州貴族のイメージのように、優雅な物腰だというのに。

「もうロボとは会っているな。彼女の匂いがする……手を出してはいないだろうね?」

 声が出ず、ふるふると首を振る。

「良い。いい判断だ。少なくとも、今殺されずに済んだぞ」

 男は慇懃無礼に、パチパチと手を叩いた。

「一応、名乗っておこうか。オレは、フォッケヴェルガー・フォン・シュバルツヴァルト。かのフェンリル狼に連なる誇り高き人狼だ。いや、この国では、狼男の方が通りがいいか?」

 フォッケヴェルガーはどこかおどけて言う。しかし、言いながら外したサングラスから覗く金色の瞳は、鋭い刀剣のような敵意に満ちていた。

「その賢さに免じて、命が助かるチャンスをやろう」

 消えろ、そんな言葉を予想した。

 情けない話だが、一瞬、パスポートの取り方まで想像したくらいだ。

 だけど――

「去勢しろ」

 フォッケヴェルガーの言葉は、予想を遥かに超えていた。

「は?」

 思わず声が漏れた。

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