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煩悩

 暗いニュースばかりのテレビを消して、眠りにつこうとした夜の一一時。

「……あのな、別れて三時間しか経ってないだろう……」

 実家の二階、田舎ならではの一〇畳を超える自室の窓に、そいつは外から張り付いていた。部屋の窓のそばの柿の木から登って来たらしい。

 胸部のダブルメロンがガラスに押し当てられ、なんというかその、卑猥だ。おれの自室はいつもざしきわらしがうろついているのだが、怖がって妹の部屋に逃げて行ったくらいだ。

「うむ。自分も我慢できるつもりだったのだが、体が火照って寝れない。せめて添い寝をしてくれてもバチは当たるまい」

 帰れ、と言おうとした瞬間――

 窓をぶち破ろうと拳を振りかぶっているのが見えた。

 実家住みとしては、それは勘弁願いたい。コイツは見えないし、絶対おれのせいになる。

 おれがしぶしぶ窓を開けると、野生動物めいた動きで素早く上り込んできた。

「では遠慮なく」

 と、後ろから飛びかかる様に抱き着いてきて、おれを布団に押し倒しやがった。

 抵抗? いや、できるわけがない。

 とても、柔らかいからだ。

 二つのメロンが押し付けられた背中が柔らかいからだ。もう言葉で言い表せないほど、至福の感触。それから、腹を挟む太股が柔らかい。どこかハーブのようないい香りまでしてくる。

 そして、すやすや寝息をたてながらもずっと後ろから舐められる耳たぶ。

 ――寝れるわけねえ。

 これで寝れる奴は、悟りを開けると思う。

 だが、ホールドする力は人間より上なので、おれは身動きすら取れなかった。

 生殺しのまま、朝を迎える事に――

 そして、目覚めて人んちの窓からの去り際に

「意気地なし、かな?」

 とか言って来たが、そもそもあのホールドから動けるヤツがいたら会ってみたい。

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