11話
今日は、珍しく家の近くの公園に来ていた。
気を紛らわす、ために散歩していたのだ。
だというのに、その目的地に変装してはいるがリルラが居た。
たった一人で…。
ベンチに座って黄昏てた。
「………」
私に気付いた様子の、ソラシア帝国第二皇子リルラ殿下。
ジー…と、私を見つめてくる。
もしかして、私が誰か分かったのだろうか?
「あの…、ここ何処ですか?」
…どうやら、ただの迷子のようだ。
「ここは…」
私は、丁寧に教えてあげた。
早く立ち去ってくれないかな~。
じゃないと、敵として見れなくなりそう。
リルラって、本当に無害な感じの人だから…。
やっと、ここが何処だか理解したのでリルラがお礼を言って立ち去った。
その際、余計な事を言ってくれたので私に迷いが出来てしまった。
「あ、そうだ。ボク人を探しているんです。髪が白銀色で瞳が空色の少女何ですが…。見掛けた事ないですか?」
「…さぁ?見た事ないです。」
「そうですか…。ボクにとって最愛の人なので、見掛けたらここに電話して下さい。」
そう言って、渡されたのはソラシア帝国大使館の電話番号だった。
リルラが去った後も、私は公園にしばらく居た。
「最愛の人…か…。馬鹿らしい…」
私は、渡された紙を粉々に破り捨てた。
父や母、兄の処刑される姿を私は決して忘れていない!
忘れるものか!!
処刑される前に家族をあわよくば、助けようと思って潜入していたのだ。
それが失敗して、このジルーラ王国に戻された。
せめて、三人の姿を見たくて行ったのにすぐに処刑するなど…!
「例え、皇帝だけが悪くてもソラシア帝国が、グリラーナを滅ぼした事に変わりないんだよ…。」
私は、久し振りに泣いてしまった。
たった一人、今だけ殺された家族を思って…。




