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10話
いよいよ、やって来たあの男…リルラと言う中性的な美少年。
幼さの残る少年は、私の一つ年上である。
私よりも、美人な元婚約者の姿に私は思わず…。
「女でも通用するね。」
…と、呟いてしまった。
リルラは、それほど美人だったのだ。
本人は、普通に女性が好きらしい。
友人いわく、軽く病弱体質でさえなければ、完璧なのに…だそうだ。
…リルラとの婚約は、既に破棄されたも同然。
私を知っていたとしても、私にとってリルラは仇の一人でしかないのだから…。
だから、会いたくなかった。
なのに、何故一人で迷子になってるのかな?