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閑話<2>
あぁ…、今でも夢に見る。
あの日、我が手で滅ぼしたグリラーナ王国の最後を…。
我がソラシア帝国にとって、豊富な資源の国だったグリラーナ王国。
まるで、すぐそばにある宝箱のようだった。
だから、我が王位を継ぎ様子を見て滅ぼし手に入れたのだ。
友好国だとしても、手に入れて何が悪い?
あちらの王と王妃、王太子共は昔から気が合わなかった。
処刑した時も、最後まで気に入らんかった。
そう言えば、我の二番目の皇子の婚約者だった王女は何処に居るのだろうか?
探しても見付からないので、既に死んだ者としているが…。
もし、生きていたら予定通り結婚させてもよい。
その方が、死んだあの三人も悔しいだろう。
王女も悔しいに違いない。
皇子には、王女の件を話してはいない。
まだ内緒にしておくがな。
見付かったら話すか。
二番目の皇子は、遊び人だからな。
先に教えておくと面倒だ。