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あの日僕らが見た世界  作者: コタツミカン
放送室の者たち
2/4

安全地帯


「何なんだあれは・・・。」


その生き物はあまりにも無残な姿と独特な匂いを発していた。


「おいおい、演劇部の勧誘かよ!びっくりさせんなよ。てか、すげー凝ってんな!ウケる!」


鼻ピアスをしてお世辞にも頭がいいとは思えない男が《奴》に近づいて行った。


「なんだよ、演劇部の勧誘かよ、俺てっきりゾンビかと思ってワクワクしてたよ!な、けんちゃん


「ん?あ、聡一郎か、」


聡一郎とは高校生に入学してすぐ友達になった。

お互いに趣味が合いすぐ意気投合した数少ない友人だ。


「まぁーお前じゃすぐ死ぬだろうがな」


「うっせ!」


その時


「い、痛い。ぃぃぃぃぃぁだい」


振り向いた先にはさっき《奴》に近づいて行った男が頭を半分食いちぎられてた。


あまりにも急な出来事に教室には沈黙が流れた。

その沈黙をやぶったのは


「ヤバいけんちゃんいくぞ!!」


聡一郎だった


「えっ行くってどこへ?」


「え、どこにいくって・・・あ、放送室にいくぞ!」




ハァ、ハァ・・・・ッハァ


案の定、廊下は混乱の嵐になっていた。

逃げ惑う生徒もいたり、《奴》に食われ元の外見がわからない生徒もいた。


「くそ、これじゃ前に進めねぇ。押し倒してでもいくぞ。今のうちに武器でも探しとけ!」


「お、おう。」


こんな状況になってしまった今、聡一郎の存在はとても頼もしかった。


混乱の中、《奴ら》に襲われないように廊下を駆け抜ける。


「まだ、つかないのかよ」


「あ、あったぞ。よし中に入ろう。」


二人は中に飛び込むように入り、急いで鍵を閉めた。無事、放送室に入り深呼吸をしていると、


「おい、お前ら噛まれてないか?」


「うわっ!え、あ、噛まれてないです。」


「ぼ、僕も噛まれてないです。」


「だったら早くドアから離れろ・・・もうドアは開けるなよ」


メガネを掛け頭が良さそうな生徒が立っていた。性格は悪そうだが・・・・



あたりを見渡すと放送室の中にはまだ6人ぐらいの生徒がいた。

体を震わせ身を寄せ合ってる女子生徒2人、金属類を首や指に付けている男子生徒、毛量が少なく顔のシワが多い教師、隅っこの方で縮こまっている男子生徒、あとは・・・・血だらけの木刀を片手に持ってこっちを睨んでいる男子生徒。

なぜ、血が付いてるかは聞かない方が良さそうだ。

それとメガネ


(遥と瞬はいないか・・・・無事だといいが)


放送室に集まった9人、これからも起こることはまだ誰も予期しなかった。








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