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林檎の木の下で  作者: 瑠樺
二章
23/208

番外編 Regarder vers le Ciel ~side Louis~ 【1】

Pomme de Discorde 【1】直前の話になります。

 何も苦労を知らずに育ったと、温室で純粋培養の存在だと皆は言う。

 それを否定するつもりはない。わざわざ否定するのが下らないという思いもあるし、己がぬるま湯に浸かっているという自覚もあるからだ。

 ある時「善人も悪人にも差はなく、皆平等に幸せになる資格があるのだ」と何かの宗教信者が言った。

 しかし、本当にそうだろうか。本当に人間に差はないのだろうか。


(ならば、何故オレたちは捨てられた?)


 【普通】の人間のように人生を謳歌することなんてできない、神の名に縋ることすら虚しくなるような日々。

 どうやら神は、親に捨てられたような子供に掛ける慈悲は御持ちではないらしい。

 だが、それで良い。

 この屈辱を伴う忍従も、いっそ舌を噛み切ってしまいたくなるほどの絶望も憎しみの炎を燃やす為の糧だ。


『わたくしに逆らってどうなるというの?』

『………………』

『お前はわたくしに従い、今の生活を守っていれば良いのよ』


(……守る? 今更何を?)


 絶望とも知れない苦く冷たいものが胸の奥から込み上げてきた。それと共に奇妙な衝動も一つ。

 気付けば、笑っていた。己を嘲笑うように、下らない人生を莫迦にするように笑んでいた。


『どうせ守れやしないんだ。本当に大切なものなんて』


 この世に存在する全てを価値のないものだと思う努力をした。

 全てを客観的に見れば何があっても乱されず、冷静でいられる。何に対しても無情であれば、きっともう傷付かずに済む。全てを無価値だと思う努力をし、自分以外の全てを己の世界から切り取る作業をこなしつつ、暖炉上の壁に飾られていたサーベルを掴む。


『ど、どうして? 綺麗なお洋服を毎日着せているし、美味しい食べ物も、素敵な宝石も与えているわ。何よりもわたくしの愛をあげているのに、お前は何が不満だというの……?』

『オレはあんたの人形じゃない』


 尚も人形と称されるならそれでも良い。ならば、自分の進んだ道を【人生】(ラヴィ)などと大層な名で呼ばずに済む。

 そうして、自分以外に初めて殺意を向けたのは、自分を侍童として買った貴族の女だった。



*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*



 朝目覚めると頭痛が酷かった。

 体調不良というよりは精神的ものからくる病と言った方が良い偏頭痛だ。夢見が悪く、きちんとした睡眠が取れていなかったからだろう。そういうことにして主治医兼、従者である男に相談もせず、午前は大人しく過ごした。

 世の中の全てに対して価値を置いていない彼の趣味は少ない。

 美しい芸術や花を見ても、素晴らしい演劇や歌を聴いても、美酒美食で持て成しを受けたとしても、表情が動くことはない。そんな彼の辛うじて趣味と言えるのは読書だろうか。

 屋敷には図書室(ライブラリー)があり、一生掛かっても読み尽くせないほどの蔵書がある。習い事のない日の彼は本を読み漁る。そんな生活ばかりをしているから社交能力が益々欠如するのだと、顔の皮の厚い従者は苦言を漏らすけれど、妙な趣味を持つよりは余程まともだと本人は思っている。

 だが、毎日毎日そういった趣味に興じていられもしない。

 上に立つ者には上に立つ者の義務――貴族の責務ノブレス・オブリージュというものがある。


(そろそろ行こうか)


 懐中時計を仕舞い、読み掛けの本を棚へ戻す。それから銀色のカフスボタンの袖を止め、椅子の背に預けていたフロックコートをウエストコートの上に引っ掛けると彼は図書室を後にした。

 屋敷の離れで使用人たちもあまり訪れないここは、彼にとってある種の逃げ場のようなものだ。

 図書室から続く廊下を進み、ティーサロンに足を運ぶ。するとそこにはビスクドールのように装飾過多なドレスを着た少女と、銀縁眼鏡を掛けた背広姿の男がいた。


「お兄様!」

「寝ていないと駄目だろう」


 胸に飛び込んできた小さな身体を受け止めながら彼――ルイスは紫色の目を眇める。

 その視線の先には貴族の邸宅で浮きまくっている、何とも胡散臭い男がいる。

 このサロンの階下を使用人室として使っている男を、ヴァレンタインの兄妹は従者としてではなく先生――家庭教師のようなもの――として慕っている。

 基本的に主と使用人は必要最低限の会話しか交わしてはならない。それはこの家に限ったことではなく、由緒のある家であればあるほどその規律は厳しい。そうした決まりから殆どの使用人は自分から口を開くことはない。だが、ヴァレンタイン小侯爵付きの従者で主治医でもあるこのジルベール・ブラッドレーという男は他の使用人とは少々違った存在だった。

 外の世界をあまり知らないエリーゼはこの風変わりな従者のする話を大層好む。

 きっとベッドに横になっていることがつまらなくなって抜け出してきたのだろうと察しつつ、それでも患者を部屋に戻そうともしない医者をルイスは睨まずにはいられない。


「オレも戻るからエリーゼも部屋に戻ろう」

「お兄様、何処かへ行かれるの……?」


 ぴたりと胸に張り付いたエリーゼは、ルイスの上着の裾を握り締めながら見上げた。

 病に臥せる中で培った観察眼は大したものだ。隠しても無駄だと知るルイスは素直に白状した。


「昔、世話になった人の墓参りだよ」

「わたしも行っちゃ駄目?」

「まだ風邪が治ってないだろう。今日は寒いから家にいるんだ」


 頭を撫でてやりながらそれとなく額に手を当てるとまだ熱っぽいことが分かった。


「じゃあ、元気になったら遊んでくれる?」

「薔薇園へ散歩でも、カフェでショコラ・ショーを飲むのでも付き合うよ」

「ピアノの連打も?」

「それこそ易い用だ」

「約束よ?」

「……ああ、約束だ」


 白い頬を薔薇色に染めるエリーゼの髪をくしゃりと撫でてやると、ルイスは振り返らずに命じる。


「喉が痛んでいるようだから、ハーブティーを後で部屋に運んでくれ」

「畏まりました。すぐに用意致します」


 一礼するとジルベールは先にサロンを出る。性格に多少の難はあるが優秀な従者の背を見届けたルイスは、ドレスの裾が乱れないように注意しながらエリーゼを抱き上げた。

 ルイスもあまり身体が強いとは言えない方だが、年下の少女を抱き上げられないほど虚弱な訳でもない。空気の綺麗な場所で滋養のあるものを食べて、安静に心穏やかに暮らせば、天から与えられた寿命は真っ当できるだろうと医者からは言われている。

 けれど、エリーゼは違う。月の半分をベッドの上で過ごさねばならないほどに身体が弱い。

 大した距離でもないのにわざわざ抱き上げて運ぶのはルイスが過保護という訳ではなく、そうせざるを得ないからだ。

 まるで人形のように大人しく抱かれているエリーゼは羽根のように軽い。

 そんな九歳年下の妹にルイスが持つ感情は複雑だ。


『まあ、ルイシス様とエリーシャ様は今日も仲がよろしくていらっしゃるわね』


『これなら旦那様も安心でしょうね』


 今日も下世話な話が聞こえくる。

 エリーゼは気にしない性質なのか、それとも純粋さ故に気付いていないのか、何ともない顔をしているがルイスは自分の胸の軋む音を聞く。


(エリーゼは何処まで分かっているんだろう……)


 血の繋がりのない妹は良く懐いてくれていた。

 この自分を本当の兄だと思っているのだろうか。いや、そんなことはない。この屋敷にいる者全てがルイスがヴァレンタイン家の本当の子供でないことを知っている。

 ルイスは九年前――もうすぐで十年前になる――この家に貰われてきた養子だった。


(オレがあんたたちの幸せを崩しているのを知っているのか?)


 養子として貰われて一年もしない内に夫妻に子供が産まれた。それがエリーゼだ。

 口に出して言われはしないが、ルイスは薄々感じている。

 実子に家を継がせたいと思うのは当然のことだ。引き取られただけで有り難く思っているルイスは例え廃嫡にされたとしても文句は言わない。それでもヴァレンタイン夫妻は世間的もあるからルイスに家を継がせるだろう。

 だが、古くから続く名家の血を絶やす訳にはいかない。

 悪い噂を立てず、またヴァレンタイン家の血を残す為にルイスとエリーゼを結婚させるのではないかという話は常に聞こえてきた。

 普通の貴族ならば何の利益にもならない結婚はしない。従兄弟同士や恋愛結婚といった相互利益に繋がらない婚儀は行わない。しかし、ルイスが養子に貰われたことによって全ては変わった。

 もしも、エリーゼがいなければルイスは貴族の型に則って良家の娘を婚約者に迎えることになっただろう。


(……いや、どうだって良い)


 他に好きな相手がいる訳でも、またエリーゼが嫌いな訳でもなかった。

 異性として愛せるかは別として――まだ八歳の少女で、仮にも妹にそんな感情を抱く方が難しい――家族としての情は一応ある。自分の立場を養子というよりは入り婿のようなものかと認識すれば辛くもない。ルイスは自分の人生が好き勝手に動かされることを面白くないとは思わなかった。

 引き取られた家で上手くいかない子供なんて巨万といる。どんなに厳密な調査が行われ、里親として適していると判断されても人の心は簡単に図れるものではないし、変わらない訳でもない。


(どうなろうが知ったことじゃない)


 ルイスは過去に感情を自閉しようとする努力をしたことから人間的感情が欠如してしまっていた。

 いや、そういうと機械のように取られてしまうか。欠如しているというよりも、酷く薄いのだ。

 美しいものを美しいと思えず、美味を美味と感じることができず、何よりも自分自身に価値を置かない。誰もが羨むような容貌でさえも自信にはならず、寧ろ苦痛のようになっていた。


「じゃあ、オレは行くよ」

「気を付けて行ってきてね!」


 後のことを小間使い(レディーメイド)と自らの従者(ヴァレット)に任せたルイスは踵を返す。

 二階の長い廊下を歩いて行き、エントランスへ出る。二階に登る大階段を左右に持つ広間は巨大なシャンデリアに照らされ、落ち付いた色調の絨毯が敷き詰められている。一階(グラウンドフロア)の玄関ホールの扉の前では、従僕(フットマン)が既に支度をして控えていた。

 ルイスは階段を早足で降りて行き、一階の床に靴底が触れた時、ふと真横に視線を感じてそちらを見る。

 エリーゼと同じ色のドレスを纏った妙齢の女性は、ルイスの義理の母親だった。


「ルイシスさん、今日は習い事はないと思いましたが何処へ行くのですか?」

「昔世話になった方の命日なので墓参りへ行こうと思ったのですが……、お母様が不快に思うのでしたら行きません」

「不快だなんてそんなことはありません。アデルバート様とエレン様は貴方を立派に育てて下さった方ですもの。わたくしやお父様に遠慮などせず、いってらっしゃい」

「有難う御座います」


 淡く微笑む侯爵夫人の前でルイスも夫人と似た極淡い笑みを浮かべる。

 一見すると仲の良い親子だ。しかし、ルイスの瞳の焦点は侯爵夫人の瞳と合わさっていなかった。


「では、花を用意させなければなりませんね」

「いえ、街の花屋で調達して行きますので」


 今から用意をさせれば時間が掛かるし、気取った花束になってしまうだろう。

 以前の両親が愛した花を供えたいと思っているルイスはやんわりと断る。すると侯爵夫人は瞳を曇らせ、悲しい顔をした。


「私はお父様とお母様に貰われて、今こうして生かして貰えているだけで幸せなんです。だから、どうかお気遣いなく」


 エリーゼと同じ紫陽花色の瞳を直視することができない。

 指先が凍え、きりきりと胃が痛んだ。

 大事な時ではなく、こういう時にこそ意識を失えたら良いのに。そんな不誠実なことを願いながら沈黙に耐えていると、白百合の香水がすぐ近くで香った。

 初めて会った時は目上にあった顔が今は目下にある。ルイスは目蓋を伏せ、吐息を震わせた。


「気を付けていってらっしゃい。陽が暮れる前に帰ってくるのですよ」


 侯爵夫人はそうして肩にそっと手を置く。敢えて何も言わないことが、義母ヴィオレーヌの優しさだった。


「はい、分かりました」


 短く応え、従僕から外套とトップハットを受け取ったルイスは屋敷を出た。


(また酷いことを言ってしまった……)


 酷いことを言ったという自覚はあった。

 あんなに優しくしてくれるのに、ルイスはヴァレンタイン侯爵夫妻を本当の両親とは思えない。ここへ引き取られてもう十年近くが経つのに、侯爵夫人は【義母】ではなく【侯爵夫人】だ。

 ルイスにとって本当の両親は、ヴァレンタイン家に引き取られる前に世話になった夫妻だけだった。



*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*



「アデルバート様、エレン様……」


 両親が――取り分け母が好きだったカーネーション。母は花が好きな人だった。

 ルイスを施設から引き取ってくれたのは、【レミュザ】に暮らす裕福な夫妻だ。

 子供ができなかった訳ではないらしい。ただ、国の上層部に属するという危うい立場から、【守るべき存在】――弱みとも言う――を作らない為に子供を持たなかった夫妻だと聞いた。

 そんな夫妻が何故ルイスを引き取ったのか。それは施設に顔を出す度に皆の輪から外れて二人でいる兄弟に情が移ってしまったからだ。

 母は哀れみや同情ではなく、「家族は大勢の方が楽しい」なんて暢気なことを言ってルイスとその兄に手を差し伸べた。父は穏やかで、気の強いところのある母に押されがちだったけれど、いざという時には固い信念を垣間見せる強い人だった。

 いつまでも続くと思われた平和な時。それが崩れたのは十一月も終わりに近付いた、とても寒い日だった。


『ほら、暖かくしていきなさい』

『有難う、母さん』


 マフラーを肩に掛けてくれる母の優しさに胸があたたかくなりながら家を出る。

 庭に出ると、寒空だというのに兄と父がキャッチボールをしていた。二人はすぐにルイスに気付く。


『ルイ! 今日もヴァイオリンだっけ?』

『うん。あと、図書館でも見てこようかと思って』


 身体が弱い弟と違って兄は健康体だった。

 ルイスも兄のように外を駆け回りたいと思いはするものの、妬んだことはない。兄は兄、自分は自分という思いがあるからだ。

 双子は二人で一つのような認識を持たれることが多いけれど、当人からすれば不本意極まりない。だから、兄と自分が対照的であって構わないとルイスは思っていた。


『そういえば例のやつだけど、適当な時間になったら図書館にきてくれないかな』

『分かった! そうだなあ……、三時間くらいしたらライブラリーカフェの入り口で』

『くれぐれも父さんに感付かれないでよ。兄さん、嘘が下手なんだから』


 ボールを取りに行っていた父はこそこそと内緒話をする双子を不審に思い、近付いてくる。


『二人とも、何の相談をしているんだ?』

『父さんには内緒』

『父さんには秘密』

『ふうん……?』


 深い森の奥で滾々と湧く泉のように深く澄みきった琥珀色の瞳。その双眸に見つめられると心を見透かされているようで、隠し事をする罪悪感が出てきてしまう。

 けれど、今回は折れる訳にはいかない。

 もうすぐ両親の結婚記念日がある。

 引き取られて三年が経ち、すっかり夫妻の本当の子供のようになった二人は両親に贈り物をしようと密かに考えていた。

 甘いものを好むということ以外、これといった共通点がない二人が共に出掛ければ聡い父は何かに気付くかもしれない。幼いながらに知恵を巡らせた二人はそうしてばらばらに外出をすることにした。


『遅刻するからもう行くね』

『ああ、そうだね。先生に私が宜しく言っていたと伝えてくれ』

『うん、分かった』


 家族皆に送り出されて、父の懇意である音楽家にヴァイオリンを教えて貰う。そうして三時間後、図書館に併設されたカフェへルイスは向かった。

 兄は幾ら待ってもやってこなかった。

 ずぼらな兄だ。また道草をしているのだろうと思い、三十分は待つ心のゆとりがあった。

 だが、一時間が経っても兄はこない。流石に可笑しいと帰宅したルイスが見たものは、惨殺された両親や使用人と、辛うじて息のある兄。

 一面真っ赤だった。それ以外のことをルイスはあまり覚えていない。

 覚えていないというのは語弊がある。その記憶は確かにあるが、まるで他人事みたいなのだ。ジルベールにそのことを相談すると、過剰適応の一種で心が防衛の為にそうしているのだと言われた。


(オレがあの時、壊れたからじゃないのか……?)


 あの事件の後、色々とあった。ルイスはその中で自分が壊れていくのを感じていた。

 無感動になったのも、心を押し込めたのも全ては自分で望んだこと。たった十年前のことだというのに両親の墓前に立っても涙一つ流せない自分を【人形】だと思った。


「――――――」


 首筋に、冷たい視線を感じた。その瞬間、恐怖に弾かれたように本能的に思い切り後ろを振り返った。


「やあ、お久し振り」

「……ヴィンセント・ローゼンハイン」


 自分でも驚くほど冷たい声が出た。

 頭半分ほど上にある相手の顔には笑みが浮かんでいる。ルイスは金髪の若者――ヴィンセント・ローゼンハインを睨んだ。

 珍しいことに、ヴィンセントは年若い少女を連れていた。

 少女は蜂蜜色の長い髪をポニーテールにしている。眉を隠すように伸ばされた長めの前髪から覗くのは極淡い空色の双眸。ホワイトブラウスに、ベルベットの黒襟がついた紅茶色のベストとタイトスカートを合わせている姿は給仕といった風だ。

 ヴィンセントの女の趣味は知らないし興味もないが、らしくないと思った。

 派手で自信に満ち溢れた男が連れ歩く女にしては少女は影が薄く、地味だった。これではアクセサリー代わりにもならないだろう。もしや引き立て役として連れているのだろうか。

 毒吐きながらルイスは少女を突き飛ばした。

 この男は長らく封じ込められていた激情を呼び起こしてくれる貴重な存在だ。普段穏やかなルイスもヴィンセントを前にすると抑えきれない嫌悪から毒を吐きたくなる。

 レヴェリーがこないだろうことは知っていた。それでもヴィンセントから指摘されると癪で仕様がない。

 ルイスはヴィンセントと名も知らぬ少女に背を向けた。最悪の墓参りだった。

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