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林檎の木の下で  作者: 瑠樺
七章
185/208

番外編 Happy Unbirthday ~side Reverie~ 【2】


「午後から店の手伝いにきてくれ」


 水上花火当日、朝早くにこんなやり取りが交わされていた。

 電話を片手に渋面を作るエルフェを横目に、レヴェリーは冷蔵庫を開ける。


「クロエとルイスは昼までしかやらないと言って…………いや、駄賃は出している。お前にそんなことを言われる筋合いはない」


 エルフェは仕事を理由にメルシエをテーシェルに呼ぼうとしていた。

 一緒に花火でも見ようと言った方が上手くいきそうなのだが、大人には建前がある。エルフェもメルシエも元は貴族なのでその手の振る舞いは慎重だった。ただ、両者の性格にも問題があると二人の関係を見てきたレヴェリーは思う。

 そうして口実に利用されてきたからこそレヴェリーは知っている。エルフェは【何も知らない】人間ではない。知っているからこそ愚かな男である方が楽なのだ。

 弟に向けた言葉をエルフェに言う気にはなれず、レヴェリーはカップに注いだミルクを一気に飲み干した。

 慌ただしい朝は過ぎ、友人らと約束した時間が訪れる。

 マルシェ広場に集った三人組の一人ヴァンは、喫茶店を慌ただしく駆け回るクロエに熱っぽい視線を注いでいた。


「クロエお姉さん、天使だ……」

「そうか?」


 先ほどクロエはヴァンたちの為に冷たいカフェオレを差し入れたのだ。その心遣いにヴァンはすっかり心を射抜かれているが、あれは義姉としての振る舞いでレヴェリーの友人に気がある訳ではない。


「金髪だし碧眼だし色白でぷよぷよしてそうでさー」

「いや、それクロエじゃなくても良くね?」

「金髪碧眼で小柄な女の子なんてスクリーンの中でしかお目に掛かれないだろ! レヴィくん何見てんだよ。暑ィんだよ」

「お前のテンション付いていけねー」


 噴水台のへりに座るヴァンはドレヴェス人の女は筋肉質で嫌だと嘆く。

 テーシェルはドレヴェスの混血が多く、男女共に体格が良く高身長だ。生まれも育ちもテーシェルのヴァンにとって、ドレヴェス人でもシューリス人でもないクロエのような女性は珍しいらしい。


「レベッカ・アイリーンみたいな青い目でさぁ、こう見つめられたら堪んない。レヴィくんも男だったら分かるだろ?」

「あー、はいはい」

「リアル・アイリーンだよ。マジ天使」

「お前の頭の中に天使がいるのは分かったわ」


 大女優の名を出して力説され、レヴェリーは生返事をする。

 レヴェリーは身内としてクロエに興味がないというよりも、ルイスに聞かれたら血の雨が降りそうで気が気でない。店までこちらの声が届いていないことを祈るばかりだ。


「血の繋がらない姉と一つ屋根の下なんて羨ましいんだよ」

「血の繋がらない男二人もいるけどな」

「バスルームでばったりとか、濡れたままの髪でうっかりとか、着替え中にどっきりとか、のぼせてふらりときたところでしっぽりとか、ラッキーでハッピーなことあるんだろ?」

「ねーよ。つーか何で全部風呂関連なんだよ」

「頭の中そっちのことしかないんだろう」

「真っ昼間なのになー、嫌だなー」

「空き家のティメオくんは兎も角、ちゃっかり彼女いるリオンくんには言われたくないなー」

「暑いなら湖に飛び込んで浮かんでこなければ良いのに」

「ここにも水があるな。リオン、沈めたらどうだ」

「人目がなければなー……」

「レヴィくんレヴィくん。こいつら酷くない?」

「お前ら、仲良いのな」


 カフェオレを啜るティメオとリオンの蔑んだ目にレヴェリーは笑う。この三人の関係性は面白い。

 そもそもレヴェリーと三人組が知り合ったのもこの広場だ。喫茶店の手伝いの最中、ヴァンにその目の色は何だと絡まれたのが出会いだった。

 出店の開く十時までの時間をそうして過ごしていると、クラブバッグを持ったヴィンセントが路地から出てきた。

 ヴィンセントは喫茶店に寄らずに広場を通り抜けていくので、レヴェリーは駆け寄る。


「おい、ヴィンス。花火見ねーの?」

「ディアナのところにいる方が楽しいからね」

「眠ってるんだろ、クロエのお袋……」

「火薬を打ち上げているのを見るより、人間観察の方が有意義だよ」


 話しかけても反応のない相手のところへ通い詰める。それはレヴェリーには異常に思えた。


「女に執着するなんてらしくないんじゃねーの?」


 ヴィンセントの振る舞いはクロエの顔を曇らせ、ルイスの心を歪める。そして、彼自身を狂わせる。

 レヴェリーはクロエやルイスよりはヴィンセントを知っているつもりだ。

 殴られて育つ中で悪いところも僅かな良いところも見てきた。本当に稀にだが、まともなことを言う時もあると知っている。だからこそ、彼をここまで狂わせたものがいて、その相手の元に通い詰めるということが気味悪く感じられてならない。


「僕は僕の思うままにやっているつもりだけどね」

「そうかよ」

「僕のことよりレヴィくんが心配になるよ。十九にもなって男同士で花火見るとか悲しくない?」

「いーの、オレは」


 短い言葉にヴィンセントは目を眇めた。

 レヴェリーは内心舌打ちして、顔を背ける。


「実のところ、繊細なのは君の方だよね」

「何のことだよ」

「エルフェさんと同じ人種ってことさ」


 ヴィンセントは意地悪げに言って、レヴェリーのサングラスを剥ぎ取ろうとする。

 そこに割り込んでくる人物がいた。


「おハロー、初めましてー。なーにシリアスな話してんすかー? あ、初めましてついでなんすけど、お宅の娘さん今度デートに誘っていいっすか? めちゃくちゃタイプなんですよー」

「あははは、面白い子だね。悪趣味で」

「それでーお兄さんにも色々お力添えいただけると嬉しいんですけどー」

「自分で頑張ってこそだよ。そもそも許可取るべきは僕じゃなく、義父親じゃないかな」

「いやー、あっちのお兄さんは怖そうなんで、まずはこちらからーと思いましてぇー」

「やっぱり親バカそうに見えるよね」


 突然会話に加わられたことにヴィンセントは気を害さず、気に入ったという風にヴァンの頭をがしがしと叩く。

 ヴィンセントの【気に入った】はろくな意味ではないと知っているレヴェリーは胸が冷たくなる。変人同士で意気投合などされたら堪ったものではない。

 頼むからルイスが怒るようなことは止めてくれと願うレヴェリーの前で悪趣味な男たちは笑い合う。


「レヴィくんと仲良くしてあげてよ。今まで引っ越しばかりで同年代の友達できなかったからさ」


 若者たちを一頻りからかったヴィンセントはそう言い残して去っていった。

 善人ぶったことを言って、誰の所為で人付き合いができなかったのだと問い質したい。まともそうなことを言ってしっかり人の心に杭を打ち込んでいくところは相変わらずだ。


「いやぁ、話の分かる人で良かったよ。話してみるもんだね」

「お前バカだろ。ヴィンス切れさせたらマジで沈められるからな」

「ええー?」


 ヴィンセントは初対面の相手に本性を見せないが、欠片も興味を抱いていないということは簡単に相手を殺すということでもある。

 クロエとヴィンセントの関係はただでさえ複雑なのだ。レヴェリーは命知らずな友人を睨む。しかし、ヴァンは空気を読まずにへらへらと笑うばかりだ。

 その時丁度、客を送りにルイスが店先から姿を現した。


「おーい、弟! レヴィくん二号!」


 ヴァンはとんでもない呼び方をして手招きをする。

 頼むからルイスを刺激しないでくれと今日何度目になるか分からない嘆きを内心こぼすレヴェリー。ルイスは渋々とやってくる。


「勤務中なんだけど、何の用かな」

「これからクロエお姉さん誘って遊び行くんだけど、お前もくるっしょ?」


 一度ならず二度も地雷を踏み抜いた。

 こいつは間違いなく莫迦で大物だとレヴェリーは思った。






 観光客が湖へ歩いていくのを見下ろす屋根の上。ここでの花火観賞はテーシェル市民の特権だ。

 バルコニーや屋根には花火を待つ住民の姿がある。見れば隣宅の老夫婦はワインを空けてすっかり出来上がっている。

 出店巡りをして、日が暮れると屋根の上に菓子とジュースを持ち寄ったレヴェリーたちも皆と同じように騒いでいた。


「メルシエさんも良いよなぁー。アクション映画の女主人公って感じで痺れる。ああいうのを狙う時は【ボクで妥協しましょう!】だなー」

「突っ込まないのか、レヴィ」

「疲れた」

「パン屋のエインセルさんも捨てがたい。人妻って何故こうもそそるんだ……」

「こういう頭だと毎日幸せだろうなー、羨ましいなー」

「彼女持ちうぜーよ」

「真面目な話、相手に妥協求める前にヴァンが妥協するべきだよね」

「俺はアイリーンみたいな可愛い彼女欲しいの」

「無理無理。身の程を弁えた方が良いよ」

「顔か性格かぁ……」

「性格一択。美人は怖い」


 町歩きをしている間も女性に声を掛けていたヴァンと、飽くまでも余裕のあるリオンは生々しい話で盛り上がっている。

 学生の彼等は毎日こうして騒いでいるのだろう。舞台女優の話を始めるヴァンとリオンの隣で、ティメオがレヴェリーに訊ねた。


「明日ベルシュタインに行くんだが、映画の事前券買っとくか?」

「いつだっけ?」

「来月の十日からだよ」

「じゃあ頼む。予定分かったら連絡するわ」

「弟は?」

「あいつ、オレと出掛けんの嫌がるからさ」

「だよな。俺も兄貴とはなんか駄目だ」


 ルイスが誘いに乗らないことを知りつつもこうして話に出すところがティメオの律儀なところだ。

 自分たちに距離があるのは双子だからという訳ではない。そういう当たり前のことをレヴェリーは友人たちから学ぶ。

 周りの大人たちが教えてくれなかったものを今レヴェリーは様々なところから得て、自らの糧にしようとしている。

 両親がいて、学校に通う彼等はレヴェリーとは違う人間だ。だが自分とは別の世界の人間だからこそ、彼等と関わるのは楽しい。そして毎日会えないからこそ、休日は楽しみな日だ。

 後ろ向きな趣味だったはずの映画が今ではこうして友人たちとの繋がりになっている。そのことを可笑しく思いながら映画談義に加わっていると、レヴェリーの携帯電話にメールが届いた。


「あ、悪い。知り合い来てるみたいだからちょっと会ってくる」

「菓子片付けとくぞ」

「チーズは残しとけよ」


 屋根を下りたレヴェリーは混雑する広場を抜け、小走りで駅を目指す。

 観光客たちは湖に集合しているのか坂道は空いていた。湖から聞こえるざわめきが遠くなる頃に、駅の方から歩いてくる人影を見付ける。

 坂道の途中で向かい合った女性はレヴェリーを見付けられたことを嬉しそうに微笑んだ。


「レヴェリー様、今日はお誘い下さりありがとうございます」

「様はやめて、伯母さん」

「はいはい」


 親しみを込めて呼ばれたコリンナは笑った。

 エレンが母親であることを知った後、レヴェリーとルイスはコリンナに話を聞きにいくことがあった。その中でテーシェルの水上花火の思い出を聞いたレヴェリーは、コリンナに花火を見にくることを勧めたのだ。

 坂を下っていく間に花火が始まる。

 足を止めたレヴェリーとコリンナは坂道の途中にあるベンチに座った。


「お嬢様と見た花火をまたこうして見られるなんて夢のようです」

「母さんは花火の音が嫌いって言って外に見に行かなかったんだよな」

「小さい頃は怖がって泣いていたんですよ」


 テーシェルは母が育った土地だという。亡き祖母の墓も丘にあった。

 懐かしそうに語るコリンナはここにはいない子供のことを訊ねた。


「ルイシス坊ちゃんはあのお嬢様と?」

「ん、そう」

「お礼を言わなければなりませんね」

「どっちもどっちだよ。クロエも施設で育ってるからさ」

「そうでしたか」


 クロエとルイスは昼まで店の手伝いをしてから町に繰り出した。

 どうせなら朝から楽しめば良いのに、昼から出掛けた二人は何処となくセーブしているとレヴェリーは感じる。

 贅沢をしないように、楽しすぎないように、幸せすぎないように。

 けれど、それは二人に限ってのことではない。レヴェリーも最近考えることがある。


「オレさ……、家を継いだりそこで家族持ったりっての多分ないわ」


 ヴィンセントが揶揄したような、後ろ向きな理由ではない。自分には荷が重すぎると感じた。


「クラインシュミットの家はルイがどうにかするんだろうし、オレも難しいことはやりたくないし。それで伯母さんは怒らない?」

「それがあなたの幸せなら私は止めませんよ」


 レヴェリーだってクラインシュミットの名が欲しくない訳ではない。だがそれは覚悟が伴うものではなく、ルイスに勝る想いがないのだ。

 恩人のヴァレンタインを裏切るような形で家を出てまで、ルイスは両親の仇を討ちたいと願っている。恐らくは家も継ぎたいのだろう。クロエのことに慎重になるのはそれ等のことが関係しているとレヴェリーも分かっている。


「長男の特権を捨てて後悔はないですか?」

「家を継がないって選べるのは幸せじゃねーかな」

「選択できることの幸せ、ですか」

「オレは幸せだと思ってる。親父たちはどう思うか分からないけどさ」


 もしアデルバートが生きていたらこの選択をどう感じるのか、そもそも選択の機会を与えたのだろうか。

 レヴェリーが考えていると、コリンナは苦笑混じりに語った。


「旦那様はあなたたちが幸せになることを望んでおられました。例えあなたたちが家を継がないと言っても、あの方は笑って済ませてしまったでしょうね」

「……なんかそんな気もするな。親父なら【どうでも良い】って言いかねない」

「本当に困ったお方です」


 アデルバートが何度も手術を受けていたことなどレヴェリーは知らなかった。

 エレンもアデルバートも秘密を隠し通して死んだ。双子はその閉ざされた箱を開けても文句の言い様がなかった。


「あなたは捨てるのではなく選択した。どうかその分のお金や時間を、自分と大切な人の為に使って下さい」


 死んだ両親の為に生きることのできないレヴェリーをコリンナは咎めはせず、自信を持って進みなさいと諭した。

 やがて花火は終わる。

 コリンナを連れたレヴェリーは帰途につく者たちに逆らいながら坂道を下りていく。そうしてマルシェ広場へ着くと、クロエとルイスが帰ってきたところだった。


「あれ、レヴィくんと……コリンナさん?」

「ご無沙汰しております」

「コリンナを呼ぶなんて聞いていない」

「お前に許可取る必要ねーだろ」

「オレは相手の都合を考えろと言いたいんだ」

「ルイスくん。怒るよりもお客様に挨拶する方が先です」


 コリンナの小言がうるさいことを知っているクロエは促す。叱られたルイスが黙り込むとコリンナは可笑しそうに笑い、レヴェリーも釣られた。クロエは何故笑われたのか分からず首を傾げていた。


「あの、電車の時間はまだ大丈夫ですよね?」

「今日はテーシェルに一泊していくつもりで宿を取っています」

「良かった。お茶入れますから上がって下さい。そうだ、レヴィくんの友達の分も用意した方が良い?」

「頼むわ」

「私、先行ってるね」


 レヴェリーはコリンナを家に案内し、リビングへ通した。そしてルイスに後のことを頼む。


「オレ、あいつらのとこ戻るから伯母さんの相手頼むなー」


 リビングを出るレヴェリーを追ってきたルイスは、玄関ホールに差し掛かったところで肩を掴んだ。


「レヴィ、人の都合を考えろと言ったはずだ」

「泊まっていくから時間は大丈夫だって言ってただろ」

「そちらもだけど、キミはオレの都合を考えないのか?」

「クロエと楽しんできたんだろ。少しは伯母さん孝行しろよ」


 忘れてしまった母に良く似ている弟の顔が不機嫌色に染まる。

 そう、こういう顔だった。

 年上の父にあしらわれてむくれていた母を思い出す。


「……なあ、ルイ。親父たちにはオレも感謝してるよ。でもそれと今の生活は別だろ?」


 レヴェリーは声の高さを落とす。

 そして、自分たちにしか聞こえないほどの声で告げた。


「オレがエルフェさんたちに感謝するのだって裏切りじゃない。ルイがクロエといて楽しいのだってそうだ。どっちも大切なんだよ。それで良いじゃん」


 ルイスは何を言われたか分からないような不思議な顔をするので、苛立ったレヴェリーは胸倉を掴む。


「お前がごちゃごちゃ言ってることは、ショコラオランジェのチョコレートとオレンジのどっちが好きかって話だろ」


 ルイスはレヴェリーの目を見返し、しっかりとした声で答えた。


「どちらもだよ。どちらも欠かせないものだ」

「なら、それが【答え】だよ」


 例え話が珍妙だったからかルイスは笑った。それは久々に見る笑顔だった。

 レヴェリーは掴んでいたシャツを放し、全て分かったような顔をしている弟を小突いた。

 この様子だと答えは既に得ていたのだろう。こちらがあれこれ考えて節介を焼く必要もなかったのかもしれない。

 悩み損だと悪態をつこうにも、その苦労が嫌ではなかったからレヴェリーは困る。自分と大切な人たちのことを――【未来】を考えられることが幸せだ。

 あの日呪った人生(ラヴィ)は悪いものではないと心から思い、笑みを返した。

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